最も一緒に暮らしたいと思える

数周すると、ブレーキはフェード気味になり、ペダルストロークが深くなる感覚が出た。それでも、R.S.280よりサーキット向きのクルマだと思う。ラップタイムが1分22秒3と、1秒縮めていることも、それを証明する。

そして真打ち。サーキット・スペシャルと呼べるトロフィーRは、先の2台とはまったく異なる次元だった。7万2140ポンド（973万円）という馬鹿げた英国価格と、大幅に手の加えられたシャシー、削られた車重を備えるだけのことはある。

はるかに機敏で、はるかに鋭い。ブリヂストン製のS007タイヤのグリップ力も高く、コミュニケーションも取りやすい。アンダーステアもほぼない。4輪操舵システムが付かないことで、挙動の予測も圧倒的に掴みやすい。

サーキットではまさに水を得た魚。ラップタイム1分20秒1。どれだけ効果的な仕上がりなのかが、わかる数字だ。

一方で、R.S.トロフィーRは一次元的で深みを感じなかったことも記憶に残った。一般道では硬すぎ、トゲトゲしい。通常のR.S.トロフィーでも、同じように感じる。

長期テストのメガーヌR.S.280は、サーキットでの実力は程々かもしれないが、充分良く走った。この3台で、最も毎日一緒に暮らしたいと思えるのは、やはりR.S.280だった。

テストデータ

気に入っているトコロ

スポーツシャシー：サーキットでも楽しめる。一般道での走りも楽しめる。

気に入らないトコロ

キーレスエントリー：解錠して車内に乗り込んでも、アラームが鳴ることがある。何とかならないだろうか。

テスト車について

モデル名：ルノー・メガーヌR.S.280（英国仕様）
新車価格：2万7835ポンド（398万円）
テスト車の価格：2万9435ポンド（420万円）

テストの記録

燃費：11.5km/L
故障：なし
出費：なし

画像　メガーヌR.S.280とトロフィーR　全72枚