ルノー・スポール復活か? 1年以内に新型高性能モデルを「提案」へ

公開 : 2025.09.10 17:45

ルノーは新たなスポーツモデルの導入を検討中で、1年以内に何らかの意思表示を行うとしています。本格的な量産高性能モデルは既に生産終了したメガーヌRS以来となりますが、アルピーヌから発売される可能性も。

鍵はアルピーヌとの兼ね合い

ルノーは、新型高性能モデルの導入を検討中だ。同社CEOによれば、今後1年以内に「最初の提案」を発表する予定だという。

最後の本格スポーツモデルは、ホットハッチの4代目メガーヌR.S.で、最高出力300psの特別仕様車ウルティムとともに既に生産終了している。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティム
ルノー・メガーヌR.S.ウルティム

ルノーは最近、スポーティなモデルの開発を再開し、限定生産の14万ポンド(約2800万円)の5ターボ3Eを市場に投入した。これは最高出力540psの電動ハッチバックであり、ルノーの高性能EVの開発力を示す意図があった。

ルノーのCEOを務めるファブリス・カンボリーヴ氏は、今月開幕したミュンヘン・モーターショーでAUTOCARの取材に対し、手頃な価格のスポーツモデルを投入する計画について「いくつかの選択肢を検討しています。今後12か月以内に何らかの提案をさせていただくつもりです」と述べた。

カンボリーヴ氏はまた、このようなスポーツモデルを実現するにはコストと需要の「適切なバランスを見出す必要があります」と付け加えた。

この点に関連して、ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)の製品ラインマネージャーであるエマニュエル・デ・ジェズ・ペケーノ氏は最近AUTOCARに対し、新型クリオの高性能バージョンは現時点で計画されていないと明かした。その理由は、必要な投資額と予想される需要水準との「妥協点」にあるという。

ルノーは将来の排出ガス規制に対応するため、前身である4代目クリオRSの1.6Lターボチャージャー付き4気筒エンジン、あるいはアルピーヌA110の1.8Lエンジンの再開発を迫られる可能性が高く、そのコストは法外なものになる恐れがある。

新たな「提案」によりルノー・スポール(Renaultsport)の名称が復活する可能性もあるが、ルノー・グループでは引き続きアルピーヌをスポーツカーに特化させる方針のようだ。

2月、当時のグループCEOであるルカ・デ・メオ氏はAUTOCARに対し、ルノー・スポールは「凍結状態」にあると説明。「スポーティなものはすべてアルピーヌを基盤とします」としたものの、「だからといって、このブランドが復活しないとは限りません」と述べた。

さらにデ・メオ氏はこう続けた。「新型3Eターボがアルピーヌでない理由を問われたとき、わたしは『申し訳ないが、5ターボは最初からアルピーヌではなくルノーだった。本物を追求するなら、その歴史を尊重すべきだ』と答えました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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