30周年を迎えた、『ルノー・スポール』始まりの1台 フロントウインドウもエアコンもないストイックマシン『スピダー』を新車から所有!

公開 : 2026.10.25 11:45

10月18日、車山高原において国内最大級のフランス車の祭典『アロンフランセ2026』が開催され、今年はルノー・スポール・スピダーが生誕30周年ということで、約30台が集結しました。そのうちの1台を内田俊一が紹介します。

今年で『ルノー・スポール・スピダー』は30周年

10月18日、車山高原において国内最大級のフランス車の祭典『アロンフランセ2026』が開催された。4回目を数えるアロンフランセでは、毎回周年を迎える様々なクルマをフィーチャー。今年は1996年にデビューし生誕30周年となる『ルノー・スポール・スピダー』が選ばれ、会場には約30台が集合した。

1995年のジュネーブ・ショーで発表されたスピダーは、その翌年から市販開始。今もアルピーヌの工場があり、当時はルノーのワンメイクレース車両の製造などを担っていたディエップで、1736台が組み立てられた。

ルノー・スポール・スピダーを1996年に新車で購入した本多彰さん。
ルノー・スポール・スピダーを1996年に新車で購入した本多彰さん。    内田俊一

その最大の特徴は、空力性能の最適化を図るために『ソットヴァン』と呼ばれるフロントスクリーンのない仕様となっていたことだ。

リアミドシップに搭載されるエンジンは、クリオ・ウィリアムズと同じ150psを発揮する直列4気筒16バルブで、アルミ製シャシーに加え、パワーステアリングや、ABS、ヒーターといった装備を排することで車重は930kgに抑えられた。

そもそもスピダーはワンメイクレース用に開発され、トロフィーと呼ばれるレースマシンは、ロールケージを備え180psのエンジンが特徴。90台が生産された。

日本にはフランスモータースがフロントスクリーンを装着した『パラブリーズ』を正規輸入した以外に、シーフォなどの手によってソットヴァンが輸入され、一部マニアへ熱狂的に受け入れられた。

1996年に新車で購入したワンオーナー車

その中の1台、1996年に新車で購入したワンオーナー車であるスピダーのオーナーに、会場で話を聞くことができた。子供の頃から父親の影響を受けてクルマ好きであるとともに、模型作りや写真にも興味があるという、多趣味な本多彰さんだ。

初めて購入したクルマはシトロエンGSA X3。その後プジョー205GTi1.6を乗り継ぎ、ルノー・ルーテシア16Vを購入したことで、ルノー愛に目覚めたという。そこで興味を覚えたアルピーヌA110の購入を真剣に考えた。当時を本多さんが振り返る。

アロンフランセ2026会場に約30台のスピダーが集合し、注目を集めた。
アロンフランセ2026会場に約30台のスピダーが集合し、注目を集めた。    内田俊一

「結婚して子供もできたこともあり、妻から5年後だったら買ってもいいよといわれたのですが、待ちきれなくて色々探していました。そんなタイミングでスピダーが発表されたんです。(その時の印象について)なんじゃこりゃと思いましたね。ワンメイクレース用のクルマを市販車にしたということで興味が湧きました」

たまたまお住まいから近い名古屋でスピダーに乗る機会を得て、即購入を決めたそうだ。その決め手は、こう語っている。

「唯一無二じゃないですか。フロントスクリーンがなくエアロスクリーン(エアカーテン効果を使って気流を乗員の上方に流す)だけなので、開放感がありますよね。さらにエアコンはおろかヒーターさえない、走るだけの機能しかないというところが、ストイックな感じですごく自分に合っているなと感じたんです」

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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