【飼い慣らされた野生】ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダーへ試乗 前編

公開 : 2020.05.14 10:20

日常暮らす社会にも、溶け込んで走れるウラカン・エボ。本性を解き放てば、圧倒されるほどの走りも楽しめる、二重人格的なマシンでもあります。今のランボルギーニを象徴する1台を、英国郊外の一般道で評価しました。

もくじ

ランボルギーニ製のNA V10エンジンの終焉
最高出力640ps、最高速度325km/hのスパイダー
カムカバーを眺められないのが残念
速さで並ぶなら最新のポルシェ911ターボS

ランボルギーニ製のNA V10エンジンの終焉

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
トップが集う国際的な議題としてスーパーカーがテーマになることは、ほぼないだろう。だがAUTOCARが取り上げる話題としては、ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダーは、かなりランクが上となる。

ウラカン・エボは、ランボルギーニ製の自然吸気V型10気筒エンジンの、終焉を飾るモデルとなる可能性が高い。モデルライフ半ばのアップデートとして、エボが導入されたということは、最終形へと進化したことを意味するはず。

ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダー(英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダー(英国仕様)

この自然吸気のV10は、史上最高の公道用エンジンの1基だといえる。他方でエボ・スパイダーは、近年では珍しいオープンボディの本物のスーパーカーでもある。

ポスト・ミレニアム世代のランボルギーニとして、最も濃い個性と、圧倒的な走行性能を持つモデルを選ぶなら、ウラカン・エボ・スパイダーが最有力となるのだ。カーボン・モノコックの強固なクーペではなく、スパイダーの場合、動的性能には多少の妥協も生じるのだが。

これはあくまでも、スペックシート上での仮説ではある。これが正解なのかは、実際に確かめてみるしかない。

ウラカンLP610-4スパイダーと比較すると、エボ・スパイダーはどこをとっても明確にエボリューションを遂げている。見た目だけではない。何より重要なのは、ペルフォルマンテ由来の驚異的な5.2L V型10気筒エンジンを獲得したところにある。

最高出力640ps、最高速度325km/hのスパイダー

エンジン内部では、チタン製のバルブを採用し、リフト量もアップ。インテーク・マニホールドも設計が見直されている。

エキゾーストシステムは軽量化され、リアのボディワークを貫通するようなレイアウトを得ている。ウラカンのドラマチックさを、サウンド面で増強する。

ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダー(英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカン・エボ・スパイダー(英国仕様)

強く傾斜の付いたフロントガラスが、特別なクルマであることを雄弁に語る。ただし、信号機をちゃんと見るには、白線のだいぶ手前に止まる必要はあるようだ。

進化を遂げたウラカン・エボの最高出力は640ps、最大トルクは61.1kg-m。従来から29psと4.2kg-m、増強されている。

最高速度もわずかにプラスの325km/h。0-100km/h加速は0.3秒短縮され、3.1秒となった。

超高速域への加速力にも不足はない。静止状態から200km/hまでの時間は、ランボルギーニのトップ、V12が770psを生み出すアヴェンタドールSVJロードスターと比べて、0.5秒遅いだけに留まる。

価格ももちろん上昇しており、英国では21万8137ポンド(2901万円)で売られる。先代比で2万ポンド(266万円)の追加となった。もし、今後登場する後輪駆動版のRWDを待てば、18万8000ポンド(2500万円)で手に入る。

スタイリングは、カンバストップ周りを除いて、基本的には新しいウラカン・エボのクーペに準じる。デザインは、LP610-4と同じようにスッキリとしたラインで構成され、古さを感じさせない。

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