【詳細データテスト】トヨタ・ミライ ゆったりした快適な走り 後席と荷室は広くない とにかく安い

公開 : 2021.06.26 20:25

まだまだライバル不在に近い燃料電池車、ミライの新型。見た目ほどスポーティでない走りと、後席や荷室のスペースに不満はありますが、クルマそのものの出来には満足。普及へ最大のネックは、水素インフラ整備の遅れです。

はじめに

この10年、パーソナルでサステイナブルな移動手段という夢は、たしかに育まれ続けてきた。そう、水素燃料電池車のことだ。

もっとも、多くの自動車メーカーはそこに最大限の労力を注ぎ込んできたわけではないが、導入計画を確定できなかったのは主に外的要因によるものだ。

テスト車:トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム
テスト車:トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム    LUC LACEY

トヨタは2014年に、初代ミライを発表した。まさしくモータリゼーションの未来を予感させる、市販燃料電池車である。この前年にはヒュンダイが、ごく少数ながら燃料電池車の生産に着手し、2017年にはホンダがクラリティFCVの2代目をリリースした。

これ以前にも、メルセデス・ベンツやBMW、マツダなどが、パイロット版的な水素自動車をわずかに手探りで製作したことはあった。しかし、FCEVこと燃料電池を積む電気自動車が本格的に量産されはじめたのは、2010年代半ばに入ってからのことだ。

しかし、マーケットの混迷するコンディションは、燃料電池開発に注ぎ込まれるはずだった資金を失わせてしまった。電動化への投資は莫大で、もっと長期的なプロジェクトに投入するだけの蓄えが残らなかったのだ。

水素供給のインフラ整備が遅々として進まないのも、燃料電池車普及の障害となっている。先進国でさえその状況にあり、結果として実用化から後退するメーカーも出てきた。たとえばメルセデスは、長期的な水素自動車の開発・生産プログラムをキャンセルし、ホンダはクラリティの生産を終了する見込みだ。

いっぽうで、希望を繋いでいるメーカーもある。その代表格が今回のテスト物件、トヨタの新型ミライだ。ライバルが次々と水素に距離を置くのに対し、トヨタは将来的に実行可能なゼロエミッション輸送の包括的ヴィジョンの一環として、このテクノロジーに関わり続けている。その中には、大型で長距離走行可能な乗用車も含まれる。

専用の燃料電池スタックはBMWと共同で開発された新型で、来年後半にはミュンヘンでもiハイドロジェン・ネクストへの搭載を予定しているもの。これを含めてメカニズムは劇的に変更され、市場への普及も加速すると期待されるモデルである。

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