【詳細データテスト】トヨタ・ミライ ゆったりした快適な走り 後席と荷室は広くない とにかく安い

公開 : 2021.06.26 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

先代より大きく、速く、高効率で長距離を走れるが、価格はかなり抑えられている。

2016年にロードテストを行った先代は、モノグレードで6万6000ポンド(約924万円)だった。それから5年を経て、新型は5万ポンド(約700万円)を5ポンド(約700円)切る価格からの設定となった。同程度のサイズの高級サルーンとも競合できる値付けで、ヒュンダイ・ネッソFCEVより2万ポンド(約280万円)安い。

FCEVであるミライの残価予想は、メルセデスのバッテリーEVの傑作といえるEQCには及ばないが、BMW545eよりは上だ。
FCEVであるミライの残価予想は、メルセデスのバッテリーEVの傑作といえるEQCには及ばないが、BMW545eよりは上だ。

この価格は、トヨタが赤字覚悟でつけたものに違いない。だが、長い目で見れば、戦略的にも財務的にもそうする価値はあるはずだ。

ユーザー目線では、大型EVのオルタナティブとなりうる、実用に適うゼロエミッションカーだ。しかも、水素の充填には数分しかかからない。EVの充電より、はるかに短時間で済む。もちろん、排出するのは水だけ。しかも、吸気中の窒素酸化物や微粒子、汚染物質を除去する、走る空気清浄機とでもいえる機能まで備わっている。

問題は、水素供給施設の少なさだ。英国の場合、5年前の3か所からは増えたが、それでも10か所しかないのだ。幸いにも身近に水素ステーションがあるなら、1kgあたり12〜15ポンド(1680〜2100円)で補充できる。自宅でEVを充電するのと、コスト的にはほぼ同じといったところだ。

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