ルノー・ゾエ・バン R110ビジネス+へ試乗 小さなな純EV商用車 欧州で登場

公開 : 2021.11.10 08:25

乗用車仕様の長所を受け継いだバン

ステアリングホイールを握ってみても、質感は乗り慣れたゾエに準じている。ダイレクト感のある正確な操舵感で、とても運転しやすい。入り組んだクリーンエア・ゾーンでの配達にも好適だろう。

活発な走りを求めて商用車を選ぶドライバーはいないと思うが、パワーにも不足はない。トルクが太く、信号や停止線からの加速も意欲的にこなせる。

ルノー・ゾエ・バン R110 ZE50ビジネス+(英国仕様)
ルノー・ゾエ・バン R110 ZE50ビジネス+(英国仕様)

安定感が高く、不安感が少ないのも美点。商用車の純EVというより、ハッチバックの純EVに乗った気分で仕事をこなせそうだ。

後ろのサイドガラスが不透明で、フロントシートの直後にメッシュが張られているから、後方視界は乗用車仕様より良くはない。それでも、多くのバンと呼ばれるモデルよりは良好。ボディサイズが小さいから、駐車や取り回しで困ることはないと思う。

乗用車仕様の長所を受け継いだゾエ・バンは、魅力的なクルマだと思う。ただし商用車を選ぶ場面では、ランニングコストと積載能力も重要な要件となってくる。残念ながらゾエ・バンは沢山の荷物を詰めるタイプではなく、選択できる人は限られるはず。

とはいえ、欧州の商用車ラインナップを見てみると、ゾエ・バンに並ぶようなクルマはほぼない。例えば、ひと回り大きいフォードフィエスタにも商用車仕様があるが、ガソリンエンジンのみだ。

小さな電動商用車、ルノー・ゾエ・バン。一度に沢山の荷物を運ぶ必要はないビジネスユーザーにとっては、探していた1台となるだろう。

ルノー・ゾエ・バン R110 ZE50ビジネス+(英国仕様)のスペック

欧州価格:3万1990ポンド(495万円/英国政府補助金適用後)
全長:4087mm
全幅:1730mm
全高:1562mm
最高速度:135km/h
0-100km/h加速:11.5秒
航続距離:384km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:1577kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:52.2kWh
最高出力:108ps
最大トルク:22.7kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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