ウルス・ペルフォルマンテ日本導入 ランボルギーニの近未来は? ヴィンケルマンCEOに聞く

公開 : 2022.11.13 14:15

「ウルス・ペルフォルマンテ」が日本にやって来ました。税別価格は3181万6785円。エンジンだけの新型車は今年が最後のランボ。CEOに今後の戦略を伺いました。

ランボルギーニの世界」を実感

ランボルギーニが2022年11月11日、都内で「ウルス・ペルフォルマンテ」を日本国内で初公開した。

車体を47kg軽量化し、最高出力を666HPに拡張して、最高速度は時速306km、加速性能は0-100kmが3.3秒を実現。また、ドライブモードではダート走行用として新たにRALLYモードを設定した。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(税別の日本価格:3181万6785円)の披露イベントに立ち会ったステファン・ヴィンケルマンCEO。
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(税別の日本価格:3181万6785円)の披露イベントに立ち会ったステファン・ヴィンケルマンCEO。    宮澤佳久

実車公開にあたって、記者会見にはランボルギーニ本社のステファン・ヴィンケルマンCEOが参加してプレゼンテーションを行った。

また会見後、ヴィンケルマンCEOは個別メディア向けインタビューにも応じたため、筆者も参加してヴィンケルマンCEOと直接話した。

こうした数時間に、改めてランボルギーニが近未来に向けて目指すモデルラインナップや企業としての姿が明らかになったと思う。

では、順に紹介していこう。

ウラカン最終モデル 年内に登場

最初に、現状でのモデルラインナップから整理してみたい。

今回、ランボルギーニが示したブランドモデル・ラインナップ図表と、ヴィンケルマンCEOの説明によると、カタログモデルとしては、「ウルス」シリーズ、「ウラカン」シリーズのふたつのみ。「アヴェンタドール」は最終モデル「LP780-4ウルティマエ」の生産をすでに終了している。

会場に展示されたカウンタックLPI 800-4。なお今年2022年が、内燃機関のみを搭載する新型ランボルギーニを発表する最後の年となる。
会場に展示されたカウンタックLPI 800-4。なお今年2022年が、内燃機関のみを搭載する新型ランボルギーニを発表する最後の年となる。    宮澤佳久

また「デリバティブ(派生車)」としては、「アヴェンタドールSVJ」、「ウラカンSTO」、「ウラカン・テクニカ」が存在する。

さらなるデリバティブとして、今回の「ウルス・ペルフォルマンテ」が加わるほかに、「ウラカン」最終モデルが登場する予定だ。

また、カウンタック誕生50周年記念モデルとして限定112台の「カウンタックLPI800-4」が公開されたほかに、新たにワンオフ(1台)のモデルが登場する予定だ。

このようにランボルギーニのモデルラインナップは近年中に大きく変わる。

背景にあるのはグローバルで急速に進む電動化の影響だ。

電動化の大波 欧州・北米・アジアへ

欧州連合(EU)と欧州議会は、欧州委員会(EC)が推進する欧州グリーンディール政策の一環として、欧州域内で使用する自動車のCO2排出量について厳しい規定を設けている。

具体的には、2030年までに2021年比で55%削減、また2035年までに同100%削減を目指すとしている。これにより、欧州域内では乗用車と小型商用車の新車100%がEV(または燃料電池車)となる見込みだ。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテの前席内装。
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテの前席内装。    宮澤佳久

また、アメリカではバイデン大統領が「2030年までに新車50%以上で(プラグインハイブリッド車を含み)電動化」を大統領令として発令しているほか、中国でもNEV(新エネルギー車)政策により電動化が加速しているところだ。

ランボルギーニの2022年の世界販売台数は8400台程度を見込むが、台数が多いのは国別ではアメリカ、中国、英国、日本、中東、イタリア、韓国、そしてカナダと続くため、早期の電動化が必須なのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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