異次元にスリリング スパルタンモーター・スパルタン ホンダ K24型から466ps 後編

公開 : 2023.05.24 08:26

勢いから逃れるにはハイパーカーが必要

最終的に最高出力は466psへ落ち着いたとしても、スパルタンは猛烈に速い。高性能なスーパーチャージャーのおかげで、アクセルレスポンスは自然吸気の90%に迫るという。それでいて、回転数を問わず極太のトルクが放たれる。

6速マニュアルのトランスミッションを設計したのは、同社のニック・パップ氏だ。スーパーチャージャーの採用が決まったことで、再設計が必要になったと振り返る。本域へ到達する前に、耐えきれなかったらしい。

スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプ
スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプ

サーキットの高速コーナーを4速で抜け、緩やかな下りのストレートめがけてアクセルペダルを蹴飛ばす。恐らく、スパルタンの勢いから逃れるには、フェラーリSF90 ストラダーレ級のハイパーカーが必要だろう。

それでも、コーナーでは軽く追い詰められるはず。黒く輝く小さなカーボン・ボディに。

安定性は極めて高く、不安感なく圧倒されるようなコーナリングスピードを体感できる。シャシーへ固定されたティレット社製のバケットシートが、しっかり身体を保持するが、もう少しサイドサポートは高くてもいい。旋回Gが凄まじい。

CNC加工で削り出されたシフトレバーは、正確で滑らかに動かせる。筆者の好みでは、あと10%ほど手応えが多くてもいい。

パワーデリバリーはリニア。アリエル・アトムが積む、ターボチャージャー付きのホンダ・タイプR譲りの4気筒ユニットも、吹け上がりの勢いでは負けていないけれど。

異次元にスリリングなドライビング体験

スパルタンは、ドライコンディションだけでなく、ウェットでもドライバーを怖気づけさせない。その懐の深さにも圧巻だ。異次元にスリリングなドライビング体験を、より身近に堪能することを許している。

試乗車のペダルボックスは背が低めのドライバーへ設定されていたが、ヒール&トゥーも簡単。実際のオーナーになれば、本人の体型に合わせて調整されるため、より完璧なドライビングポジションを取れるだろう。

スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプ
スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプ

英国への輸入はル・マン・クーペス社が行い、英国価格は12万6000ポンド(約2029万円)が予定されている。カーボン製ボディの成形に手間がかかるため、生産には時間を要する。パップ兄弟によれば、最終的に300台を提供したいと考えている。

スパルタンは、アリエル・アトムやケータハム・セブンに対するオーストラリアからのホットな回答だ。無名ブランドのモデルとしては少々お高めだが、仕上がりを知れば納得できるはず。しかも、ナンバーを取得し英国の公道も走行可能だという。

スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプのスペック

英国価格:12万6000ポンド(約2029万円)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:249km/h以上
0-100km/h加速:2.3秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:700kg
パワートレイン:直列4気筒2354ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:466ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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