新型TクラスのBEV版 メルセデス・ベンツEQTへ試乗 カングー E-テックと土台を共有

公開 : 2023.06.18 08:25

ライバルはeベルランゴやeリフター

インテリアには上質感が漂うものの、実際の走りは、やはりワンボックスのバンだ。箱型ボディの影響か、走行時はBEVへ期待するよりノイズが大きめ。風切り音だけでなく、他のEQシリーズと比較して、駆動用モーターの回転音も目立つ。

それでも、走りはワンボックスとして充分に活発。1874kgの車重を、最大トルク24.8kg-mの駆動用モーターで受け持つため、一般的なBEVのように動力性能が際立つわけではないものの、市街地を小気味よく運転できる。

メルセデス・ベンツEQT(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEQT(欧州仕様)

乗り心地は、フロントシート側の方が明らかに快適。ドライバーは特に、長時間快適に乗っていられるだろう。ステアリングホイールの感触はダイレクトで、正確に大きなボディを導ける。

ヒッチメンバーを取り付ければ、最大1500kgまでのトレーラーも牽引できる。最大重量まで引っ張らせれば、流石にパワー不足を感じそうだが、ライフスタイルを大きく広げてくれるはず。

欧州で最大のライバルになるのは、シトロエンeベルランゴやプジョーeリフターといった、ステランティス・グループの電動ミニバン。それらよりEQTは僅かにサイズが大きく、運転しやすいと感じた。とはいえ、実用性やモデルとしての魅力度は同等だろう。

ステランティス・グループには、7シーターのロングホイールベース版が存在する。EQTでも計画されているが、登場は2024年以降になる予定だという。

メルセデス・ベンツEQT(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万8000ポンド(約772万円/予想)
全長:4498mm
全幅:1859mm
全高:1852mm
最高速度:132km/h
0-100km/h加速:11.0秒
航続距離:281km
電費:5.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1874kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:45.0kWh
急速充電能力:80kW(DC)
最高出力:123ps
最大トルク:24.8kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョージ・バロウ

    George Barrow

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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