「レクサスGX」新型発表! 54万台売れたオフロード4WDがフルチェン 日本で注目されるワケ

公開 : 2023.06.09 09:00  更新 : 2023.06.17 12:22

2つのパワートレインと牽引性能

現在判明している新型GXのパワートレインは2種。

1つは、3.5L V6ツインターボと10速ATの組み合わせ。

新型GXプロトタイプ(「GX550」というエンブレムを確認できる)
新型GXプロトタイプ(「GX550」というエンブレムを確認できる)    レクサス

10速ATは発進時を除くほぼ全域でロックアップクラッチを作動させ、ダイレクトなフィーリングを実現。従来の6速ATに対し、ギアステップのクロス化、ギアレシオのワイドレンジ化により、リズミカルで心地良い走りと、燃費・発進加速・オフロード性能の向上を達成した。

パワースペックは未公表だが、高出力・大トルクによりトレーラーヒッチの牽引可能重量はクラストップレベルの約3600kgを実現する。

もう1基は、2.4L 直4エンジンと新開発の8速ATとの間に、モーターと湿式クラッチが一体となったフロントモジュールを組み合わせるハイブリッド。

トランスミッションがエンジンの動力伝達を行い、フロントモジュールはHEV機能(エンジン始動・EV走行・回生など)を担う。レクサスのボディオンフレーム車では初採用のシステムだ。

そして、衝突安全性能、静粛性、走りの質を向上させる新GA-Fプラットフォームも見逃せない。サイドレールとクロスメンバーの一部には、板厚・材質が異なる鋼材を適材適所に接合(テイラー ウエルデッド ブランク)し、車重を増やすことなく強度と剛性を確保するなど、上質な走りの実現に寄与している。

サスペンションは、フロントがハイマウントのダブルウイッシュボーン式、リアがラテラルコントロールアーム付き4リンクリジッド。リアサスはリジッドとはいえ、サスペンションアームやショックアブソーバーの配置・特性を作り込み、車軸の動きをコントロールし、制動時の車両安定性を高めている。

レクサスにふさわしい乗り心地と悪路を走り切る力を併せ持つ1台なのだ。

3列シートも! 内装のこだわりは?

インテリアは、最近のレクサス車同様「人間中心」という思想をさらに進化させた「タズナ・コンセプト」に基づいてデザインされている。

インパネ上面を基準に、水平・垂直のシンプルな構成としたコクピットは、オフロードでドライバーが車両姿勢を感じ取りやすい。

新型GXプロトタイプ(内装色:サドルタン)
新型GXプロトタイプ(内装色:サドルタン)    レクサス

センターディスプレイを低く配置したことも前方の視認性を高め、ドライバーの安心感へとつながる。

また、インパネ中央を左右に貫く金属調加飾が、広がりを持った空間を演出。

メーターからつながる合成皮革で縁取ったレクサス初のセンターディスプレイや最適な位置に設えたニーパッドなど、シンプルな造形に上質な仕立てをかけ合わせ、モダンで心地良い空間を追求した。

シートレイアウトは、2列と3列が設定され、2列目はミニバン風のキャプテンシートか普通のベンチシートのいずれかを選択できる。

つまり、4/5/6/7人乗りが選べるというわけだ。

2/3列目シート間は十分なスペースを確保し、実用性を向上。3列目シートには左右独立操作が可能な折りたたみ機構をオプションで設定し、ラゲッジスペースを拡大しつつ、様々なシートアレンジに対応する。

アメリカを始めとした世界市場で高級SUVに求められるステータス性・品質・ユーティリティを、本格オフローダーに盛り込んだ新型GX。これまで未導入の日本からも熱い視線が集まるのではないだろうか。

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    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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