レクサス「LBX」は小さな高級車! 全長4.2mで、いかにプレミアムSUVに? 日本発売は秋以降

公開 : 2023.06.05 15:07

「レクサスLBX」初公開! サイズはヤリス・クロスと同程度で、全幅が広いです。小型SUVながら、どのように高級車ブランドらしさを打ち出すのでしょう。

SUV時代の「小さな高級車」 世界初公開!

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

レクサスが、新型コンパクトSUV「LBX」のプロトタイプを、イタリアで行われたメディア向けイベントで世界初公開した。

日本での発売は、今秋以降を予定している。

レクサスが世界初公開した小型SUV「レクサスLBX」のプロトタイプ。画像は5つ用意された世界観のうちの「リラックス(外装色:ソニッククォーツ)」。
レクサスが世界初公開した小型SUV「レクサスLBX」のプロトタイプ。画像は5つ用意された世界観のうちの「リラックス(外装色:ソニッククォーツ)」。    レクサス

LBXは、レクサス車では最も小さなサイズのモデルとなる。だが、ブランドホルダーであるトヨタ自動車会長の豊田章男氏の「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質である“サイズのヒエラルキーを超えたクルマ”を作りたい」という想いから、「本物を知る人が、素の自分に戻り気負いなく乗れる」ことを目指したという。

簡単に言ってしまえば、「小さな高級車」を目指すということだろう。

高級車というと、大きなクルマのイメージが強い。かつて、1960年代に登場したイギリスのバンデンプラ・プリンセスは「小さな高級車」と世界的に評価された。

21世紀に入ってからは、トヨタとアストンのコラボレーションで、トヨタiQをベースに生まれたアストン マーティンシグネットの例もあるが、「小さな高級車」の成功例は多くない。これに挑戦する、レクサスの意気込みには期待したいところだ。

なお、今回発表されたのはプロトタイプであり、サイズ以外のスペック・価格などは未公開。日本仕様の発売前には詳しい情報が公表されると思われる。

では、「レクサス・ブレークスルー・クロスオーバー」の頭文字を車名にしたという「LBX」、その概要を紹介していこう。

サイズ、ユニファインドスピンドルについて

プロトタイプではあるが、LBXはボディサイズだけは公表されている。全長4190×全幅1825×全高1560mm、ホイールベースは2580mm。

サイズ的には、トヨタ・ヤリス・クロス、日産キックスに近いが、レクサスというブランドを考えると、日本市場のライバルは輸入コンパクトSUV、フォルクスワーゲンTクロスDS 3あたりになるだろうか。

レクサスLBX(プロトタイプ)。サイドビューは水平基調のトルソー(ボディ下部)にキャビンが乗る立体構成で安定感を表現。大胆に張り出すフェンダーが力強い走りを予感させる。
レクサスLBX(プロトタイプ)。サイドビューは水平基調のトルソー(ボディ下部)にキャビンが乗る立体構成で安定感を表現。大胆に張り出すフェンダーが力強い走りを予感させる。    レクサス

デザインコンセプトは、「プレミアムカジュアル」。サイズのヒエラルキーを超えた上質さと存在感を併せ持ち、高い審美眼を持ったユーザーが日常でカジュアルに使えるコンパクトクロスを目指している。

外観は、クラスを超えた大径タイヤを採用し、スタンスの良いダイナミックなプロポーションを実現。

フロントフェイスには、これまでの「スピンドルグリル」や「スピンドルボディ」に代わり「ユニファインドスピンドル」を採用した。

これは、2003年発表のコンセプトカー「LF-S」に採用された「レゾリュートルック」に原点回帰したもの。低い位置に配置されるラジエターまでスピンドル形状を上下に圧縮しながら、フードとバンパー間のスリットがヘッドランプに繋がりレゾリュートルックを構成。フロント全体を包括的に捉えた「ユニファインドスピンドル」として刷新した。

リアビューは、ライセンスプレートをバンパーに配置し、すっきりしたバックドアにLEXUSロゴを配して、低重心でシンプルな塊感を強調。テールランプは、Lシェイプの一文字シグネチャーを踏襲し、バックドアの造形に呼応するように配された一文字グラフィックで独自性を表現した。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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