上級クーペSUV市場を喚起 BMW X6(G06型) 英国版中古車ガイド 624psのMも魅力的

公開 : 2023.09.18 19:05

プレミアム・クーペSUVの市場を開拓したBMW X6 想像以上にダイレクトなステアリング 英国編集部が中古車で魅力を再確認

想像以上にダイレクトなステアリング

クーペ状のルーフラインを背負ったSUVは一般的になったといえるが、その先鋒を務めた1台がBMW X6だった。それ以来、アウディポルシェメルセデス・ベンツのラインナップでも、欠かせない存在となっている。

初代X6、E71型が発売されたのは2008年。その型破りなシルエットに批判も出たが、プレミアムSUVの洗練性を更に高め、需要を喚起したといっていいだろう。2019年に3代目へモデルチェンジし、走りの魅力も向上している。

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

今回は、ベーシックなグレードのX6を改めて運転させていただいたが、装備はとても充実していた。しかもボディサイズと裏腹に、ステアリングの反応は想像以上にダイレクト。長距離移動時の快適性も、高く評価すべきだろう。

内燃機関が本業といえたBMWだけあって、エンジンはパワフル。車重2.2tのSUVを活発に走らせる、ガソリンターボとディーゼルターボが複数用意されている。

トランスミッションは、共通して8速オートマティック。リアアクスルを主体にする、四輪操舵システムが装備される。

英国市場の場合、X6のエントリーグレードになるのが、xドライブ40i。332psと45.6
kg-mを発揮する、3.0L直列6気筒ツインターボが搭載される。その上には、530psと73.5kg-mを繰り出す4.4L V8ツインターボの、M50iが据えられる。

このX6 M50iは、0-100km/h加速を4.3秒でこなす。ボディサイズを考えれば、驚くほどの鋭さだ。

当時はBMW史上最速SUVとうたわれたX6 M

英国で支持を集めているのは、燃費で有利なディーゼルターボ。とはいえ、xドライブ30dでも286psと63.0kg-mを発揮し、力強さも犠牲になっていない。それでいて、丁寧に運転すれば燃費は16.0km/Lを超えることも。

その上のM50dでは、クワッドターボの3.0L直列6気筒ユニットが400psと77.2kg-mを生み出す。マイルド・ハイブリッドのxドライブ40dでは、小さな電気モーターが3.0Lエンジンに追加され、340psを発生。燃費は17.2km/Lがうたわれる。

BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)
BMW X6 M50i(G06型/2019年〜/英国仕様)

X6の頂点に君臨するのが、当時BMW史上最速SUVとうたわれた、 X6 Mコンペティション。BMW M5と同じ4.4L V8ツインターボガソリンを搭載し、624psと76.1kg-mを放つ。ただし乗り心地は硬めで、快適性には多少の犠牲が出ている。

プレミアムSUVとして、X6の装備に不足はない。19インチ・ホイールに車高調整可能なエアサスペンション、アダプティブダンパー、クルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキなどが標準。高機能なiドライブ・インフォテインメント・システムも備わる。

ひとつ上のトリムグレードが、Mスポーツ。ブルーのブレーキキャリパーに専用ボディキット、スポーツエグゾーストなどが与えられる。

Mスポーツ・パフォーマンスまで予算を増やせば、22インチ・アルミホイールにMパフォーマンス・サスペンションなどで武装。ハーマンカードン社製のサウンドシステムや、一層アグレッシブなボディキットも付いてくる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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