有終の美を飾れ ジャガーFタイプに最終モデル「ZP」設定 世界限定150台、内燃エンジンに幕

公開 : 2023.10.12 06:05

・ジャガーのスポーツカー、内燃エンジン車としては最後の限定仕様車が登場。
・FタイプZPエディションは5.0L V8搭載。歴史にインスパイアされたデザインに仕上げる。
・レーシングカーのような特別なカラーリングに。

ジャガー最後の内燃スポーツカー

英国の自動車ブランドであるジャガーは、スポーツカーのFタイプの最終限定モデルとして「ZPエディション」を設定した。75年にわたる同社の内燃エンジン搭載スポーツカーの歴史に終止符が打たれる。

FタイプZPエディションは世界150台のみの限定仕様車で、価格は未確認だが、装備についても最上級の特別仕様とされることから、標準車と大きく異なる価格設定になると考えられる。ボディタイプとしてはクーペとコンバーチブルの2種類が用意される。

ジャガーFタイプZPエディション
ジャガーFタイプZPエディション    ジャガー

ドライブトレインとしては、スーパーチャージャー付き5.0L V8エンジンとZF製8速ATを搭載し、後輪駆動方式を採用。最高出力575psを発生し、0-100km/h加速3.5秒、最高速度は300km/hである。

FタイプZPエディションという名称は、1960年代にル・マン24時間レースに参戦した2台のEタイプZPに由来し、同時にデザインについてもインスピレーションを得ている。

デザインにおける主な特徴は、サイドドアに手描きで描かれた白いレーシング・ラウンドマークと、ル・マン参戦車両を彷彿とさせる2種類のカラーバリエーションである。このカラーには、グロスブルーの外装色とレッド&ブラックの内装色の組み合わせか、グロスグレーとブルー&ブラウンの組み合わせが用意されている。

いずれの組み合わせでも、ホワイトのグリルサラウンド、ブラックのブレーキキャリパーが付属する。フロントフェンダーには「ZP Edition」のバッジがあしらわれる。

その他、ダイヤモンドカットの20インチ鍛造アルミホイール、グロスブラックのダッシュボード、「One of 150」の特注プレートが装着される。

ジャガーのマネージング・ディレクター、ロードン・グローバー氏は「Fタイプは、その50年前にEタイプがそうであったように、10年以上にわたってスポーツカードライバーを魅了してきました。ZPエディションは、その系譜を称える究極のセレブレーションであり、2015年のプロジェクト7や2020年のヘリテージ60エディションなど、歴史にインスパイアされたコレクターズ・エディションの輝かしい名簿に加わります」とコメントしている。

ジャガーは2025年に高級EVブランドとして再出発する準備を進めているため、内燃エンジンを搭載するスポーツカーはこれで最後となる。Fタイプだけでなく、セダンのXEとXF、SUVのEペイスFペイスも引退する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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