ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能

公開 : 2024.05.11 20:25

ボルボ電動化の成否を左右しそうな小型クロスオーバー、EX30は、従来のボルボ車とはテイストの異なる仕上がり。斬新ではあるものの、妥協も強く感じさせるクルマづくりは、伝統の質実剛健を期待すると違和感が拭えません。

はじめに

ボルボEX30で、電動化への道のりの進み方を変えようと狙っている。このコンパクトなEVは、イエーテボリの販売比率に大きなインパクトをもたらす、と期待されるモデルだ。

すでに、2025年までにはグローバル販売台数の50%、2030年には100%をピュアEVにする目標を掲げているボルボ。しかしながら、それを達成するには、EX30のように手頃なBEVが必要だ。しかし、それ以上に必要なのは、それを購入してくれるユーザーを今よりもっと増やすことだ。

テスト車:ボルボEX30シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス
テスト車:ボルボEX30シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス

電動化への意欲を後退させた、もしくは多少トーンダウンさせたといえる動きだが、ボルボのようなブランドが、そうしたのはどういうわけか。手頃なEVの拡充が足りないわけでもないのに、英国を含む西側マーケットの多くでEVの普及率が15〜25%程度にとどまっているのが現状だからだ。

そのため、EX30が直面する商業的なチャレンジは重要なものとなるだろう。しかし、われわれの関心は、このクルマそのものが納得できる走りをもたらし、成功を収めることのできるEVなのかということに尽きる。

これが新種のボルボだと言える理由はいくつかある。まず、1970年代のボルボ−DAF300シリーズ以来、最小のラインナップだ。XC40派生のC40を除けば、初のEV専用設計モデルでもある。そして、ジーリー傘下で完全新開発されたプラットフォームの初採用例だ。

ボルボによれば、購買層は彼らの顧客としてはもっとも若い世代で、これまでボルボを買ったことのないユーザーが4分の3を占めているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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