【最も速く強力なGT】ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブルへ試乗 前編

公開 : 2021.09.26 08:25  更新 : 2021.10.14 16:03

パフォーマンスに磨きがかけられた、コンチネンタルGT スピード。非の打ち所のない速さや豪華さを備えるコンバーチブルを、英国編集部が評価しました。

機敏な操縦性を備えるコンチネンタルGT

執筆:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ベントレー・コンチネンタルGT スピードは、一言では表現が難しいラグジュアリー・モデルだ。スピードの名のとおり、3代目コンチネンタルGTの中で最も速く、最もパワフル。目下、1番ドライバー・フォーカスなベントレーでもある。

GT スピードは、手に入るうちにお早めに、的な限定モデルではない。ベントレーのラインナップとしては、従来のコンチネンタルGT W12に置き換わるカタチで、6.0L W12エンジンを積んでリリースされた。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)

英国クルーに拠点を置く老舗ブランドが目標としたことは、これまでのコンチネンタルGTと同様に、上質で豪奢で、快適で、乗りやすいモデルへ仕立てること。しかも最もダイナミックで、機敏な操縦性を両立させることも狙っている。

そんなクルマが可能なのかと、疑問を持たなくもない。それを実現させるため、数え切れない最新技術が投入されている。

コンチネンタルGTとしては初めて、スピードは四輪操舵システムと電子制御のリミテッドスリップ・デフを採用。そこへ通常のGTと同じ仕様のエアサスペンションにアクティブ・アンチロールバー、四輪駆動システムが搭載される。

これらを組み合わせることで、秀でた姿勢制御と機敏な操縦性の獲得が目指された。このモデルレンジの頂点として。

世界最大のブレーキに専用の内装トリム

コンチネンタルGT スピードは、標準で22インチのアルミホイールを履く。大径である理由は、オプションながら、ベントレーが世界最大と主張するブレーキディスクに対応するため。

オプション費用を準備できれば、直径440mmのカーボン・シリコンカーバイド・ディスクと、10ポッド・キャリパーをフロントアクスルに組める。高速で走る新幹線すら受け止められそうなくらい、見た目の迫力もスゴイ。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード・コンバーチブル(欧州仕様)

このブレーキは大きいだけでなく軽い。コンチネンタルGT スピードをGT W12やGT V8より軽量に仕上げている、数少ない部品でもある。ベントレーは、軽量化や空力特性の改良で、クルマとしての性能を高めようとは考えていないようだ。

荘厳な佇まいに変わりはなく、GT スピードはダークカラーのラジエターグリルと、前述の22インチホイール、「Spped」と記されたエンブレムなどで容姿が差別化されている。オプションのカーボンファイバー・スタイリングキットで着飾ることもできる。

インテリアには、大胆な配色による内装トリムのコーディネートが用意された。青海波文様のような、エンジンターン加工された暗い色調のアルミ製装飾トリムも、GT スピードの専用設定だ。

GT スピードの基本的な考えは、高性能化のためにコンチネンタルGTとして失うものは何もない、ということ。一層ドライバーを惹き付ける甘美な操縦性を備えた、より速く、より良いコンチネンタルGTなのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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