ベントレー、サステナビリティ戦略加速 2025年以降5年間で新型EVを5車種発売予定

公開 : 2022.01.28 06:05

英国の高級車メーカー、ベントレーは製品の電動化と生産工場の環境負荷低減を加速させ、ゼロ炭素を目指します。

「ビヨンド100」戦略を加速 新型EV5車種

ベントレーは、2025年からの5年間で5車種のEVを発売する予定だ。その最初のモデルはハイライドなセダンになる可能性が高い。

1月27日に発表されたこの計画は、2030年までにカーボン・ニュートラルなブランドとなることを目指した戦略「ビヨンド100」を加速させるものだ。

ベントレー初の市販EVのレンダリング
ベントレー初の市販EVのレンダリング    AUTOCAR

ベントレーのCEOであるエイドリアン・ホールマークによると、2025年後半に登場する最初のモデルの開発とデザインは順調に進んでいるという。

「バッテリーとその性能はわかっています。最終的なデザインは、数週間から数か月先になります。(このモデルは)現在のわたし達の製品とは競合しないでしょう。単なるEVではなく、1つのセグメントを形成するつもりです」

新しい5車種はすべて同じプラットフォームを使うわけではなく、「高くなるものもあれば、低くなるものもある」とCEOは言うが、いずれもフォルクスワーゲン・グループ共通のアーキテクチャーを採用する予定だという。

グループで共有するプラットフォームについては、ベントレーにとって大幅に改善されたと述べている。

「以前は、パーティーに参加するずっと前に開発されたグループ・アーキテクチャーから(当社のプラットフォームを)開発していました。システムおよびサプライヤーの要件を変更するための労力は、これまでベントレーにとって大きな制約となっていました」

「この世代のモデルでは、ベントレーが必要とする仕様を確保するために、最初から関与してきました。これがどれだけ画期的なことなのか、いくら強調してもしきれません。ゲームチェンジャーであり、非常に効率的です」

バッテリー技術向上 消費者の環境意識の変化

また、同社の目標を実現するために、バッテリー技術は急速に進歩したという。

「1年前でさえ、今確定しているモデルに必要なバッテリー技術について、明確なコミットメントができていませんでした。今と同じ大きさのモデルがつくれるようになったのです。2020年台後半を見据えると、また一段と大きな変化が起きるでしょう」

ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド

最初の2~3台のEVはバッテリー技術の面で共通点が多く、それ以降は新しい技術を取り入れられるようになるとのこと。また、最初のモデルの航続距離は480km以上となるようだ。

セールス&マーケティング部門の責任者であるアラン・ファビーは、EVの充電は真に贅沢な体験でなければならないと語っている。

「家から離れた場所での充電のスピードと快適さは、おそらくお客様にとって最も重要なことでしょう。わたし達には、そこに取り組んでいるのです」

高級EVの需要について、ファビーは次のように述べた。

「地球温暖化を懸念する新世代の高級車購買層は、サステナビリティに真摯に取り組んでいるブランドしか購入しないと見ています。現在のお客様の大半は、2030年にはEVに乗っているところを想像しているはずです」

一方、ベントレーは今年、既存のベンテイガとフライングスパーPHEVに加え、その派生モデル5車種を発売するが、これらはすべてV6エンジンを搭載する予定だ。さらに、ポルシェパナメーラS Eハイブリッドのように強力なV8のPHEVも今後登場すると期待される。今年の販売台数の20%は、ハイブリッド車が占めると見込まれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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