クルマ漬けの毎日から

2021.12.31

【クロプリー編集長コラム】取材を通して見た「2021年」後編

10月 ロータス・エヴォーラ

ロータス・エヴォーラが終焉を迎えた。エヴォーラとの別れは、悲しくも嬉しくもある経験になった。

ミドエンジンの2+2のレイアウトを持ち、リアにはだれも座れないクルマとして誕生したエヴォーラ。

やがて、史上最速でベストなハンドリングの1台であることが判明した。すべてのロータスがそうであるように、エヴォーラもサーキットで磨きをかけられた。

だが、エヴォーラのあまり知られていない第2の長所は、コンパクトなこと。

とはいえ、エヴォーラにはまだ改良できる点も残されていたが、それについては新型エミーラに期待したい。

11月 ブライトン・ラン

11月第1日曜日にハイドパークで開催される「ロンドン-ブライトン・ベテランカー・ラン」(通称:ブライトン・ラン)のスタートは絶対に見逃せない。

近年、ロイヤル・オートモービル・クラブは毎年11月初旬に「ロンドン・モーター・ウィーク」というイベントを主催しており、アート展、アワード、レクチャー、会食、さらには注目のリージェント・ストリート・モーターショーなど、さまざまな催しが開かれる。

なかでも伝統のブライトン・ランは、この1週間のクライマックスとなるイベントで、大いに盛り上がる。来年(2022年)の私の手帳にも、ブライトン・ランの日付を書いておいた。

11月 フォルクスワーゲンID.3

11月には、クラシックカーだけでなく、現代のモビリティからも新たな教えを受けた。

フォルクスワーゲンID.3のなかで、もっともベーシック仕様、かつもっとも短い航続距離のモデル(約290~322km)に数週間試乗したのだ。

イングランドの南部沿岸地域へ向かう時、私はいつもA34道路を使うが、その途中で偶然、シェルの素晴らしい充電ステーションに立ち寄った。効率よく充電ができ、私の心配事はすぐに解決した。

国や地方の政治家は、充電ステーションをはじめとするEVのインフラ整備にやっきになっているが、問題をスピーディに本質的に解決できる専門性を持つ、大手エネルギー会社にはまったくおよばないことが明らかになってきた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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