アルピーヌA110、米ヒルクライム挑戦へ 最高出力500psの特別仕様「パイクスピーク・エディション」

公開 : 2023.05.03 20:05

アルピーヌは6月に開催されるパイクスピークへ、A110を特別にチューニングした「A110パイクスピーク・エディション」を投入すると発表しました。1.8L直4ターボから最高出力500psを発生させます。

「雲へのレース」に初挑戦

アルピーヌは、6月に米コロラド州で開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにA110を投入すると発表した。

市販モデルのA110を特別にチューニングした車重950kgの「パイクスピーク・エディション」を用意し、「雲へのレース」とも呼ばれる全長19.93kmのヒルクライムに挑む。

アルピーヌA110パイクスピーク・エディション
アルピーヌA110パイクスピーク・エディション    アルピーヌ

A110パイクスピーク・エディションは、フランスのレーシングチームであるシグナテックと共同開発し、フロントスプリッター、ダブルリアウィング、シャークフィンなどを備え、156か所あるコーナーでダウンフォースを最大限発揮するよう設計されている。

アルミホイールやサイドスカート、リアディフューザーも空力に最適化したもので、ルーフには冷却ダクトが設けられ、新鮮な空気をエンジンに送り込む。

エンジンは、従来の1.8L直4ターボを搭載するが、最高出力は500ps(標準車より244ps向上)に高められた。

性能数値はまだ公表されていないが、市販モデルで最もパワフルなA110 R(最高出力300ps)の0-100km加速3.9秒を破ることは間違いないだろう。

レース用に設計されたものだが、「タイムアタック1」カテゴリーに対応するため、空気/燃料供給システム、シリンダー数、駆動輪は標準と変わらない。

主な変更点は、ローダウン・サスペンション、剛性強化、ドアミラーのデザイン変更、内装の簡略化、バケットシートの装着など。

フロントとリアのライトは、円形のLEDに代わって「レーザーカットバー」が採用され、テールライトはスポイラーとシャークフィンに組み込まれている。また、米国旗をモチーフにしたカラーリングが、標準との違いを際立たせている。

デザインはアルピーヌのチーフデザイナーであるラファエル・リナリ氏が担当し、プロジェクト・マネージャーのフランソワ・ルトール氏が監督した。

リナリ氏は「A110パイクスピークは、このクルマの最もワイルドな側面を引き出しています。俊敏で軽量な設計ですが、特殊なエアロダイナミクスと極端なプロポーションにより、本物のレーシングビーストとなりました」と述べている。

ルトール氏は、「最初の2日間のテストは、実にスムーズに進みました。アルピーヌA110パイクスピークは、当初の目標をすべて達成し、この短期間で驚くべき偉業を成し遂げました。このように、見た目も性能も素晴らしいモデルを発表できることを誇りに思います」と述べている。

A110パイクスピークは、4月25日と26日にフランスのリュルシー=レヴィ・サーキットで、ラファエル・アスティエのドライブでデビューする。すでにパイクスピークに4回出場しているアスティエは、米コロラド州に飛び、6月25日の「本番」に向けてチームとともに最終準備を行う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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