【これぞ妙味】ジャガーFタイプV6モデル「P380」 試乗でわかった「バランス感」

公開 : 2021.02.26 19:50

ジャガーFタイプ「P380」に京都で試乗。マイナーチェンジ後の変更点とインプレッションをお伝えします。

もくじ

FタイプV6、絶妙なポジショニングに
見えないところに神の宿るディテール
対話のあるドライバビリティと最後のV6

FタイプV6、絶妙なポジショニングに

AUTOCAR JAPAN sponsored by Jaguar Land Rover Japan
text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
cooperation:Jaguar Land Rover Kyoto

3LスーパーチャージドのV型6気筒モデルは仮想的にせよ、グレードと仕様が多々選べるFタイプの中でもスタンダードとして意識しやすいど真ん中仕様といえる。

マイナーチェンジを機に+25psの575ps仕様となったパワフルなV8モデルと、300psという必要十分な直列4気筒2Lターボの中間に位置するという意味だ。

V6は以前ならエントリー版のP340とハイパワー版のP380という2本立てだったが、マイナーチェンジを済ませた今は、P380に一本化されている。

今回試乗したのは、クーペのRダイナミックでAWD。オプションの20インチホイールや固定式のリアスポイラーを装着しており、サントリーニブラックの地味ハデな輝きを放つ外装色も相まって、過激すぎない、適度にアグレッシブな迫力を醸し出していた。

内装についてもダークトーンで、12WAYの電動パワーシートはレザーとスエードクロスの異素材2トーンという、落ち着いた雰囲気。

スポーツカーとして古典的とはいえ、飽きの来なさそうな内外装トリムといえる。

Rダイナミックとはいえ地上最低高は約11cmが確保されており、フロントのチンスポイラーもよほどのことがない限り、普段使いの段差で擦ることはなさそうだ。

マイナーチェンジ以降、クラムシェルボンネットのルーバー位置が前寄りになり、グロスブラックメッシュのグリルや、XEやIペイスに連なる横長のLEDヘッドライトが与えられ、リアランプユニットも台形基調のシケインラインへと改められた点は、V8や直4モデルと同様。

ただし20インチホイールを選択すると、フロントトレッドが1600→1585mmに、リアトレッドは1650→1630mmになる。

現代のスポーツカーとしては短めといえる2620mmのホイールベースに対し、ノーマルより僅かに狭くなる。

走りの面で感じたその影響については後述する。先に結論だけをいっておくが、それはじつにポジティブなインパクトだった。

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