永遠に廃れない設計思想 レンジローバーが55年の歴史で変わらず受け継いできたこと

公開 : 2025.09.19 19:15

現行モデルで5世代目へと進化を遂げた『レンジローバー』が、2025年で55周年を迎えました。その歴史で変わらず受け継いできた、永遠に廃れない設計思想とは。

もくじ

エバーグリーンカーの誕生

時代に合わせたキープコンセプトの歴史

最新こそ究極、未来との相性の良さ

エバーグリーンカーの誕生

AUTOCAR JAPAN sponsored by Jaguar Land Rover Japan

自動車の世界において代々モデルネームを受け継ぐことは珍しいことではないが、原初のコンセプトを正確にトレースしてきた例は数えるほどしかない。路線をキープするだけなら難しくないだろう。重要なのは誕生当初に、永遠に廃れない設計思想を確立していることだ。

現行モデルで5世代目へと進化を遂げている『レンジローバー』が、エバーグリーンカーの代表とされる理由はそこにある。そして、このイギリス車の地位を絶対的なものにしたのは、21世紀に入り急激に選択肢が増えたラグジュアリーSUV、まさにそのカテゴリー自体を創出したからだ。

1970年に登場した初代レンジローバー。このクルマのキャラクターは、開発時の呼び名が『ロードローバー』であったことからも容易に想像がつくだろう。ランドローバーが泥っぽい悪路で活躍するワークホースだったのに対し、レンジローバーは公道走行も視野に入れて開発された。

しかも直線基調の凛としたスタイリングは、カントリージェントルマンがパーティ会場に乗り付けられるほどのプレステージ性を帯びていたのである。

初代レンジローバーは、クルマとして初めてルーブル美術館に展示されたエピソードを持つ。これは誕生から間もない段階にもかかわらず、その設計思想が高く評価されていたことの裏付けであり、エンジニアリングの積が機能美として結実した瞬間でもあったのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。

55周年を迎えたプレミアムSUVの開祖、レンジローバーの魅力の前後関係

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