プレミアムSUVの開祖にして唯一無二の存在 レンジローバーSVに宿るビスポークの精神
公開 : 2025.09.24 11:00
現行モデルで5世代目へと進化を遂げた『レンジローバー』が、2025年で55周年を迎えました。最新のSVモデルを通じて、プレミアムSUVの開祖、その魅力を探ります。

もくじ
5世代目も本質は変わらない

ステアリングの手触りだけで乗り手を魅了できる稀有なクルマ。『レンジローバー』の最新モデルをドライブしながら、そんなことを考えていた。外と内で異なる色の表皮が用いられたステアリングリムは、感触の面でも心地よいアクセントになっている。

55年というレンジローバーの歴史の中で、現行モデルは5世代目となる。時代の流れを的確に把握しつつ、代変わりする毎にほどよく高級感が増してきているが、どの世代と向き合ってみてもそこに込められた本質は変わらない。

コマンドポジションの高みから見下ろすドライビングポジション、整理された情報を伝える小さめのメーターパネル、そしてイギリスの調度を思わせる精緻なステッチが走るインテリア。まるで上質なホテルにいるような気持ちにさせられる、これこそが、レンジローバーの伝統的な世界観だ。

現行レンジローバーのラインナップにあって、ひときわ強い光を放つ存在が『SV』だろう。特殊車両やハイパフォーマンスモデル、そして顧客の特別な注文に応える部門である『SVO』(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)によってプロデュースされたモデル、その証がSVというアルファベットに込められている。

現行レンジローバーに用意される2025年モデルのSVは3車種。SWB(スタンダードホイールベース)では、ガソリンの直列6気筒エンジンを搭載した『P550e』とV8ツインスクロールターボ(MHEV)の『P615』。さらに『P615』にはLWB(ロングホイールベース)モデルも用意されている。

SVにスポットを当てた今回は、ペトロリックスブルーのSWBモデル『レンジローバーSV PHEV P550e』がメインの被写体となる。リアのエンブレムは伝統的な『RANGE ROVER』以外に、小さくて白いSVエンブレムが付くだけのシンプルなもの。敢えて多くを語らないスタンスにも、頂上モデルらしい風格が感じられた。




















































