マクラーレン・アルトゥーラが切り拓く、次世代の「楽しさ」とは

公開 : 2023.10.20 12:30

深掘り 「軽さ」が生むアドバンテージ

AC: 試乗を終えたお二人が、マクラーレンというブランドをどのように考えているのか気になりました。

西川: ブランドの根本にあるのはやっぱりレースなんだよね。たくさん勝ってきたというヘリテージと、その経験と技術をロードカーに生かしているという。

飯田: モータースポーツのヘリテージがあるブランドは多いけれど、「マクラーレンF1」なんていう車名もあるほど、レースとの繋がりがダイレクトですね。

西川: マクラーレンのロードカーって軽さが基本にあって、次に徹底して磨き込んだ空力、そして凄まじいまでの加速が魅力。その三拍子が揃った結果、類稀な“ドライバーとのリンケージ”が生まれている。

飯田: それが乗った瞬間から分かるクルマだと思います。だから乗れば乗るほど虜になってしまう。ただこれからの時代はどうしてもバッテリーにも頼らざるを得ない……。

西川: そこで元々軽いことがさらに生きてくるんだ。電動の時代だからこそアドバンテージになる。2013年には早くもハイブリッドマシンの「マクラーレンP1」をデビューさせている。

レースこそマクラーレンの根幹と語る西川氏。試乗中、前方から飛んできた障害物を避けるシーンも。「シュッと思い通りに避けられた。こういう時に軽さ、ドライバーの位置、視界の良さが物をいう。完全に信頼をおけるんだよね」
ドライブモードはシーソー式のスイッチで変更。ステアリングを握ったまま指先で操作できるレイアウトだ。サーキットを走るならドリフトアングルの設定も試したい。

AC: そして「P1」で電動化を歩みだしたマクラーレンが、プラグインハイブリッドの「アルトゥーラ」を出しました。

飯田: 本当に新しい世代を感じさせてくれます。全く新しいプラットフォームになったのも、新たな章の始まりですね。

今日は「エレクトリック」モードで走り出して、首都高に乗るときにモードを切り替えるとボンってエンジンに火が入ったの。その瞬間がまたたまらなくて!

静かな時間を豊かに過ごしながら、かかった瞬間の「やっぱりこれだよね!」という感覚を噛みしめる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川淳

    Jun Nishikawa

    1965年生まれ。京都府在住の自動車ライター。スーパーカーなどの高額車、スポーツカー、クラシックカーといった“趣味のクルマ”が得意。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想としており、中古車事情にも通じる。「永遠のスーパーカー少年」として知られている。
  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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