アウディS8

マトリクスLEDヘッドライトがマイナーチェンジしたA8シリーズにおけるビッグなトピックのひとつだという。それを浴びると眩しくて迷惑する人(クルマ)がいるところだけを避けてあとはハイビームをキープする仕掛けである。今回の試乗で効果のほどを身に染みて体験できたわけではないのが残念だけれど、とりあえずウケることはできた。

それと、日本語だとそう……“流れる”ウィンカー。公式サイトには“a turn signal with a dynamic display”とある。曲がろうとしているほうへ向かって流れるウィンカーだから、周囲的には直感的に理解できる。被視認性もアップするので安全。点滅中のハザードランプの一部しか見えなくてそれをウィンカーと勘違い、にならないメリットもあるでしょう。

で、S8。マイナーチェンジもなにも現行世代のアウディA8系のクルマを運転したのは今回が初めてで、だからけっこうビックリした。いちばんビックリしたのはハンドル関係だったけれどそれはおいといて、まずはボディがイイ。カッチリと剛性が高い感じがすごくする。いわゆるミシリともいわないタイプではあるけれど耐火金庫みたいなズッシリ系ではなくて、「これが最新のASF(アウディ・スペース・フレーム)の性能というものか」と(ちなみにBピラーはスティール素材)。

いかにもアルミっぽいパキパキした冷たいカタさがなくてビミョーに人肌っぽさもあって、あとこれは詰めものによるところもあるだろうけれど静か。聴いていて嬉しい種類の静かさがある。そして、乗り心地がヨイ。実際の21インチ(欧州仕様は20インチが標準)が体感上は18インチぐらいにしか……ということはなかったけれど、これはむしろわかったほうが嬉しい。この種のクルマを買う人にとっては。後席も快適。いいボディはいい動質の基本。土台。さすが1600万円といいたくなるところだけれど、もっと安いA8も骨格はこれと共通のはず。

それと、駆動系全体の高精度感。なかでもトランスミッションの変速品質の高さはちょっと特筆点かもしれない。CVTではないのに(ほぼ)ショックレスの、しかも素早いシフト。8HP。やはりZFに如くは無しということなのか……。エンジンは、クルマのキャラ設定を“ダイナミック”にしていないときはすごくおとなしい。520psもある猛獣系という感じがまるでない。サラッと系。4気筒モードにもフツーになる。高速道路メインでフツーにおとなしく走ったら11km/ℓ超えは楽勝であろう。

 
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