‘風を切るクルマ’ 決定戦 その3 ―― ケータハム・セブン310R編

3台の ‘風を切るクルマ’ を、真冬に走らせようという、この特集もいよいよフィナーレに。主人公はケータハム・セブン310R。ふさわしい車種だろう。

とっても硬派。このひとことに尽きる

アリエル・ノマドのシートで、泥だらけになった哀れなマット・ソーンダースは、12Vソケットと身体のあちこちをヒーター用のケーブルで繋ぎ、さながらSF映画の主人公だ。

ケータハム・セブン310Rに乗るわたしには、そんなものは必要なかった。狭いキャビンに、犬に食いつくダニのように小さくなって埋もれていれば、風は避けられるからだ。

乗降性は、ジャングルジムのようにフレームが組まれたアリエル・アトムより容易である。とはいえケータハムのシリーズ3シャシーは、ダイエットしている身にもタイトに感じるほどだった。

セブン310Rのコクピットに設置されるティレット製シートは、長期テスト用に買ったスーパースポーツと同じで胴を締め上げる。プラスティックのガードルを履いているみたい。あるいはコルセットでウエストを絞り上げた、中世の貴婦人にでもなったような気分だ。

しかし、問題はない。一旦シートに収まり、4点シートベルトを締め上げれば、あとはライバルが見当たらないほどのピュアな走りの中に身を浸すだけだ。装填された砲弾が、大砲の中が狭いと文句を言うことがないのと同じように。

 
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