海外試乗

2018.01.08

驚愕と畏怖、オーテック・ステルヴィオ 日産とザガートの合作 試乗記

日産オーテック・ステルヴィオ

文・リチャード・ヘズルティン 撮影・リンドン・マクネイル 

走り 両方の意味で「驚き」

2800rpmで40.9kg-mのトルクとほぼ300psの十分なパワーを持つステルヴィオは俊足だと人は思う。思いもよらないのは駐車場を出るときだ。皆が認めるように、濡れたアスファルトでは前に進まないし、カチンカチンの国産タイヤも進むことを妨げる。

だが、バンプストップにすぐ触れることにかけては第一級だ。これは軽蔑に値する酷さだ。このクルマを運転すればだれでも笑わざるを得ないだろう。

この時代の日本車を語るときに忘れがちなのは、一般的に自動車メーカーがパワーを控えめに表示していたことだ。実際、ほぼすべてのメーカーが。この点においては、1960年代後半の米国のマッスルカー・ブームとうりふたつだ。当時米国では、保険会社が驚いて逃げ出さないように出力の数字を過少申告していたのだ。

どうも、ステルヴィオは当時の日産の表示よりも多くの馬をボンネットに下に飼っているらしい。だからと言って速いというわけでもないのだ。実際、それほど速くはない。

しかし、問題なのはパワーの出方なのだ。全然リニアではない。ブーストがかかっていないときはとても扱いやすいが、いったんターボが効き始めると、空気を大きく吸い込むや地平線のかなたまで飛んでいってしまう。減速してもまだぐいと進み続け、それからハッキリしたホイッスルが聞こえる。これはまったく常習的で、まるで動物のようだ。

性能の数値はというと、最高速は241km/h。特におかしくはない。重量は1540kg。最軽量な部類ではないが、ばかげたほど重いボンネット(冗談抜きで男ふたりがかりだ)を持ち上げてみるまではその重さに気づかないだろう。

足は速いと感じる。皆が認めるように、流れについていくためにオートマティック・ギアボックスは必死で働くが、それでも何とかなる。この日産車は、メーカーの意図したようなのんびり走り続ける類のクルマではないのだ。そして、繰り返すが、その多くはタイヤのせいだろう。

 
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