[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

空飛ぶ三輪車「リバティー」初試乗

2018.07.07

リバティーでのフライト

リバティーにはすでに3100万ポンド(45億3000万円)が投資されているが、今のところ飛んだのはプロトタイプまでだ。TVRのような小さな自動車メーカーが多くの試験や書類作成に忙殺されるといっても、航空機の世界とは比べ物にならない。最終的にPAL-VはリバティーでEASA(欧州航空安全機関)の認可を得ることを目指しているが、それには少なくともあと1年かかる。

ブレダでティーレンは12人の顧客の訓練を行っている。全員まだ訓練中である。彼が使うのはマグニM24オリオンというイタリア製のオートジャイロだ。わたしは以前オートジャイロを飛ばしたことがあるが、それはオープンのタンデムシートのモデルであり、今回のような横並びシートのクローズドな機体ではない。エンジンは今や軽量飛行機のパワーソースとして最も一般的なオーストリアのロタックス製である。このエンジンはクルマの世界から見ると旧式なプッシュロッド型のフラット4で、シリンダーヘッドだけが水冷、電子式イグニッションと燃料噴射はとてもシンプルだ。

リバティーが使うのもこのエンジンだが、M24オリオンではターボ過給されるのに対してリバティーでは自然吸気である。なぜエンジンがふたつあるのか? それは重いからだ。無搭乗でオリオンが285kgなのに対してリバティーは664kgもあるのだ。もっとパワーが必要ならロタックスのエンジンにターボ過給すればいいのではと思うだろうが、配管やインタークーラーなどの補器類を収める余裕がまったくないのである。

オートジャイロを飛ばすという新鮮でちょっと奇妙な経験を完全に説明しようとするとページがいくつあっても足りないので、基本的なところに限ることにしよう。半分はリバティーの飛行はどんな感じか、もう半分はドライブするとどんな感じか、である。

 
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