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ランボルギーニ・ムルシエラゴSV vs シボレー・コルベットZR1 回顧録

2018.09.17

100字サマリー

通常モデルのLP640に1000万円を上乗せしたムルシエラゴSVは、当時のランボルギーニ史上もっとも過激なスーパーカーでした。しかしコルベットZR1はその3分の1以下の価格でSVとほとんど遜色ないパワーを持っています。その両極端な2台を比較しました。

AUTOCAR JAPAN誌 78号

もくじ

両極の非日常
古典的なFRスポーツカー
価格差の正当性
ただならぬ雰囲気
髪の毛が逆立つほどの加速
普通のコルベットとは似て非なるZR1
激烈だが制御できるパワー
SVを十分に追い回せる

両極の非日常

今回のような組み合わせでは、スペックの数字比べはネタとしてあまりおもしろくはない。それよりも後頭部の毛が逆立つようなスピードで荒涼とした風景のなかを走り抜けたときに、いかに高純度な興奮と緊張が得られたかによって雌雄を決するべきだろう。

とはいえ、そこには押さえておくべき重要な数値もある。メインイベントが始まる前に、この対決の意味について考えていただくための予備知識としては、けっこう役に立つはずだ。なにしろ2台で馬力が1317ps、最高速度が672km/hに達する対決など、そうそうあるものではない。

互いの数値を並べて見比べると、分かってはいても壮観だ。一見、とてつもなく巨大に映る外観からすると驚くほど絞り込まれている車重(ムルシエラゴは1565kg、コルベットは1508kg)を別にして、そのほかの数値はすべて、思わず笑いがこみ上げてくるほど無駄に大きい。

たとえばパワーはムルシエラゴが670psでコルベットが647ps、トルクは同じく67.3kgmと83.5kgm、排気量は6496㏄と6199㏄、リアタイヤのサイズは335/30R18と325/25R20だ。その代償である混合サイクル燃費の4.85km/ℓと6.66km/ℓだとか、CO2排出量の480g/kmと355g/kmといった数値も目を引く。

しかし、今回の対決において真に重要なのは、ムルシエラゴの428ps/tに対して429ps/tを叩きつけたコルベットの馬力荷重比である。コルベットZR1の速さがどれほど暴力的で、その対戦相手としていかにムルシエラゴSVがふさわしいかが、この数値で理解できたのではないだろうか。

 
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