[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

受け継がれる跳ね馬の血統 フェラーリF40 vs F430スクーデリア 回顧録

2018.10.07

スペック上は拮抗する2台

しかも、これほどのパワーをエンジンがフルに解き放ったとしても、ブレーキとシャシーはそれにしっかりと対応してくれる。ノーマルのフェラーリでこれほど優れたボディ制御やグリップ、それにブレーキを備えたモデルはほかに例がなく、その調和の見事さは息を呑むほどである。

一方のF40は、当然のことながらノーマルのフェラーリなんかではありえない。その血筋は希少かつ特別な限定バージョンの公道レーサーであり、美しくもトリッキーだった1984年の288GTOをベースとしたスペシャルモデルである。そして後継モデルは、見かけこそ醜悪だが走れば実に楽しいF50なのだ。

さて、これからわれわれが見極めようとしているのは、F40が既存製品を超えた純然たるビスポーク品なのか、そしてスクーデリアにある設計の新しさがもたらす優位を覆すだけの水準に今もあるのか、という2点である。

少なくとも紙の上の数字では、この2台はきわめて拮抗しているように見える。スクーデリアでわれわれが実際に記録した0-97km/h加速は、3.4秒というとにかく並外れたものであった。一方のF40は、信頼できるデータによると3.8秒となっている。

0-161km/h加速はスクーデリアの7.4秒に対してF40は7.8秒。そして最高速度では現代の戦士が329km/hなのに対し、古参の老兵は324km/hだ。スクーデリアのほうが加速で勝っているのは、タイヤの進歩によるグリップの向上、ローンチコントロールの存在、それにほとんど瞬時に完了するギアシフトのおかげである。

 
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