スズキ初の軽自動車EV『eスカイ』担当デザイナーに訊く 今までなかったスタイルは、親しみやすさと先進感を両立 ある程度残した物理スイッチ

公開 : 2026.10.22 11:45

キーワードはアイコニック、スマート、コージー

続いて、インテリアを担当した遠藤拓磨氏。インテリアもエクステリア同様、JMSの時点では完成していた。キーワードは『アイコニック』、『スマート』、『コージー』だ。

まず、インフォテインメントのディスプレイとトレー状のダッシュボードを繋いだ特徴的なインパネデザインが、アイコニック。これはデザイン画から設計陣が工夫して、イメージどおりに仕上がったという。

ディスプレイとトレー状のダッシュボードを繋いだ特徴的なインパネデザイン。
ディスプレイとトレー状のダッシュボードを繋いだ特徴的なインパネデザイン。    スズキ

そのディスプレイは、周囲のブラックパネルと調和する背景色とグラフィックデザインでスマートな意匠に。そして座った時にぐるっと包み込まれるような居心地の良い空間がコージー。マテリアルをうまく使って、特にシートは彫り込みを持たせ、ホールド性を高めてしっかりした乗り心地を重視した。

全体的にEV色を強めないことで、エンジン車から乗り替えても違和感はない、ちょっとオシャレな軽といった雰囲気になっている。それはヘッドレスト一体型シートやインパネシフトなどからも感じられる。

今や他社でヘッドレスト一体型シートのフレームは持っていないようだが(スポーツシート除く)、eスカイではうまく魅力的なシートに仕立てられ、しかもこのフレームはコスト面でも有利だという。

ある程度の物理スイッチは残す

最近はEVだけでなくエンジン車でも、ATセレクターはプッシュボタン式、ダイヤル式、スイッチ式など、様々なタイプが試行錯誤されている。

eスカイでも開発陣がEVを始めいろいろなクルマに試乗し、『どうやって使う?』を議論。誰もが違和感なく使えることはひとつの魅力という結論に達し、エンジン車から乗り替えても扱いやすい、軽自動車ではコンベンショナルなインパネシフトが採用された。

エンジン車から乗り替えても扱いやすいインパネシフトが採用されている。
エンジン車から乗り替えても扱いやすいインパネシフトが採用されている。    篠原政明

また、最近のクルマはコストや室内スペースの関係もあり、物理スイッチよりも電子式スイッチが増えているクルマも多いが、ある程度の物理スイッチは残した。

ディスプレイオーディオはタッチ式だが、エアコンやシート&ステアリングヒーター、ステアリングスポークのスイッチ、そしてシステムのオンオフなど、基本的な操作に必要なものは、ブラインドでも扱えるよう物理スイッチを採用している。

いかに多くの人に、eスカイに乗ってもらうか。そのためには、包み込まれるような安心感とのびやかなゆとりを兼ね備えた、居心地の良い空間が必要。eスカイのインテリアは、まさにそんな空間に仕上げられているのだ。

スズキeスカイXのスペック

全長×全幅×全高:3395×1475×1625mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:1030kg
モーター:交流同期電動機
最高出力:47kW(64ps)
最大トルク:133Nm(13.6kg-m)
バッテリー総電力量:26kWh
WLTCモード航続距離:310km
駆動方式:FWD
タイヤサイズ:165/65R14
価格:279万円

スズキeスカイ
スズキeスカイ    篠原政明

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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