精神上の先祖はGLKにあたる。ここまでGLKをメルセデスのSUVレンジとしてカウントしなかったのは英国に正規輸入されなかったからである。

とにかくパッケージが酷かった。何人の英国人が購入したかは不明だが、いまここで触れなおす必要は少なくともない。そういったクルマである。

一方、いかにもモダンで無駄が削ぎ落とされたGLCは、端的にいってBMW X3のライバルたれ! といったコマンドが下されている。

表向きにも、GLCがX3のライバルであることをメルセデスは認めている。モデル中盤に差しかかったX3を目の前に “これ幸い、いまがチャンス” とも思っている。

一方ディスカバリー・スポーツが使用するLR-MSと呼ばれるプラットフォームは、特にセダンのものを流用しているわけではない。プロパーなSUVというわけだ。

3台中唯一の7シーターだというのもディスカバリー・スポーツの特徴だ。“結構お金がかかっている” というに差し支えないモデルなのである。

それぞれを横に並べてみると、ディスカバリー・スポーツほど背は高くないにせよ、GLCの存在感は少なからずある。

オプションの20インチ・ホイールのせいもあってか、X3よりも楽しそうだ。フェイスリフトを受けたMスポーツの存在が薄れて見えるのは否めない。