ペダル、ステアリング・ホイールの位置も、まともなクルマだと感じさせる。ステアリングこそかなり太いが、鼻先の動きの鋭さを加味して許すほかない。

この鋭さを実現するのが、可変ラック方式だ。前輪を鋭く動かしてくれる。アジリティは3台中GLCがトップ。ほかで比べるならばポルシェ・マカンくらいだろう。

ただX3とディスコ・スポーツがダメとまではいわない。X3の£650(11万円)の可変サスは、20インチ・ホイールの悪癖を見事に打ち消している。

それだけではない。コーナリング姿勢がフラットだし、リア・バイアスのxDrive 4WDシステムは極めて適確なパワー配分を行う。

X3を降りたあとにディスコ・スポーツに乗り換えると、ボディ・リーンが気になる。幅が小さい19インチ・タイヤが影響しているのかもしれない。

乗り心地に関しては、GLCの場合、£1,500(24万円)のマルチ-チャンバー式エア・サスペンションのセット購入をおすすめする。

残念ながらこれを組み合わせなかったテスト車は、代わりにAMGラインなるものが適合されるため、足元はスポーツ・サスがつく。これはちょっと硬い。

やわらかくありつづけようという意志が伝わってくるのはディスコ・スポーツだ。同じ窪みの上を走らせたところ当たりはディスコ・スポーツの方がマイルドだった。