祝! ポルシェ911生産100万台 歴代911/100万台記念モデルで旅へ

公開 : 2017.06.17 00:45  更新 : 2017.06.17 14:50

緊張せずにはいられない

ミュージアム入りが決まっているこのクルマは、それに先駆け世界中へ顔見せ巡業の旅に出ることになっている。

われわれが取材の機会を得たのは、その出発のまさに前日だったのだ。英国には世界中のジャーナリストと、ポルシェの重役陣が集った。

そこから160km離れたエディンバラ城には、1台のクルマの発表を祝うべくマーチングバンドが待ち構えている。

それは、スペック的には単なるカレラSに過ぎないが、ポルシェにとってはなにものにも代えがたい重要な意味を持っている。お目付け役はいない。ハイランドの美しい山々が眼前に広がり、路面はウェットだ。この道へ踏み出すことを考えると、身震いすら起きる思いだ。

それでも、やはり座ればハッピーになれるコックピットへ足を向けながら、911にこの時を迎えさせたものが何であるのかと考えていた。

本質的なことを言うなら、それは実利主義だ。

考えてみると、すぐに思いつくような市販車記録が911にはない。決して最速だったわけではなく、スポーツカーとしては最古参でも、生産数が最多というわけでもない。

その点では、シボレー・コルベットが10年も先輩で、35年前には100万台、2013年には150万台を突破。現在は、200万台も視野に入っている。

ターボユニットを大成功させたのは911が初めてかもしれないが、決して初のターボ市販車ではない。

しかし、ひとたびサーキットをレースカーとして走れば、なにものにも常にひけを取らない。911が成功した真の理由は、クルマとしてのデキがいいから、ということに尽きる。

単純すぎると思われるだろうか。しかし、それこそが真理だ。911が最初から、ワイルドな精神と家電のような所有しやすさを兼ね備えていたら、今この記事を書く機会はなかっただろう。

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