【チューニングで長所を伸ばす】ACシュニッツァー・トヨタGRスープラへ試乗 KWサスと400ps

公開 : 2021.01.10 10:25  更新 : 2021.03.05 18:45

BMWを主に手掛けるチューニングの名門、ACシュニッツァー。Z4と兄弟関係にあるトヨタGRスープラにも手を施し、性能を向上。専用サスのほか、400psと61.1kg-mを獲得したスープラを、英国編集部が評価しました。

ACシュニッツァーといえばBMW

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
優れた長所が少なくない、新しいトヨタGRスープラ。しかし5万ポンド(675万円)前後のスポーツカーの中で、際立つハンドリングや最速のパワーを備えているわけではない。

同じことを、ドイツを拠点にするBMWのチューニング・ブランドも考えていたようだ。ハードウェアの多くをBMW Z4と共有する、GRスープラ。ACシュニッツァーは、手を出さずにはいられなかったのだろう。

ACシュニッツァー・トヨタGRスープラ(欧州仕様)
ACシュニッツァー・トヨタGRスープラ(欧州仕様)

トヨタ自身が今後、改良を加えていく可能性はある。われわれも、それを強く望んでいる。

ACシュニッツァーが用意したパッケージを、すべてGRスープラへ投入するのに必要な金額は、英国で2万ポンド(270)万円。ボディキットだけでなく、シャシーやパワートレインも、しっかり改良が施される。手を加えられる部分は、沢山あったようだ。

特に重要なチューニングメニューとなるのが、「ピギーバック」と呼ばれるECU。BMW社製のB58と呼ばれる3.0L直列6気筒エンジンは、最高出力が339psから400psまで増強される。最大トルクは、50.7kg-mから61.1kg-mへと太くなる。

GRスープラの最高出力はライバルと比べると少し控えめだったが、これで肩を並べるようになった。

さらにKW社製のコイルオーバーをベースにした、ACシュニッツァー独自の専用サスペンションも開発。減衰力は伸縮と伸長とを個別に調整可能で、車高は30mm下げられる。

特性はそのままにハンドリングを向上

オリジナルと見間違えないだけの容姿も得ている。今回試乗したスープラには、ACシュニッツァー社製の21インチ・アルミホイールも装備していた。標準の19インチから2インチも大きくなっているのに、重量は1本当たり3kgも軽いというから驚きだ。

スタイリングもカッコいいと思う。ネガティブ・キャンバーが強められ、低い車高と相まって、好戦的なスタンスにまとまっている。

ACシュニッツァー・トヨタGRスープラ(欧州仕様)
ACシュニッツァー・トヨタGRスープラ(欧州仕様)

エンジンとサスペンション、ホイール周りのチューニングに留めれば、必要な費用は1万ポンド(135万円)。スポーツ・エグゾーストシステムと、大きなウイングを含める、カーボンファイバー製のボディキットを我慢できるなら。

その仕上がりは、専用サスがすべてを解決しているわけではないものの、切り始めの反応が鋭いステアリングと、緩めの姿勢制御という標準モデルの組み合わせが改善。ボディロールの発生が、ハンドリングと調和している。

全体的に姿勢制御が向上しているから、限界領域でのグリップ力だけなく、クルマの応答性が底上げされている。ドライバーの自信も、より確かなものになる。

ACシュニッツァーの目指したところは、GRスープラをエッジの立った刺々しい性格に仕上げることではない。コーナリング時は、オリジナルと同様に穏やかなアンダーステアのバランスと、荷重移動が残されている。

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