2022年版 ただひたすらに楽しいスポーツカー ベスト10 メーカーの力量が問われる1台

公開 : 2022.07.10 06:05

ドライビングの面白さを堪能できるスポーツカーをランキング形式で紹介します。馬力や加速性能にとらわれず、ハンドリングや軽量ボディで勝負するピュアなクルマたちです。

数字にとらわれないドライバーズカー

どんなに手頃な価格のスポーツカーであっても、運転の楽しさやスリル、所有の満足感においては高価なスポーツカーに匹敵し、あるいは凌ぐこともある。

今回は、馬力や加速性能よりも「走る楽しさ」を優先して10台をピックアップした。どのクルマも、ハンドルを握ればたちまち大きな笑みを浮かべさせてくれるだろう。

高級なハイパフォーマンスモデルではなく、ピュアスポーツカー、あるいはそれに近いモデルを見ていきたい。
高級なハイパフォーマンスモデルではなく、ピュアスポーツカー、あるいはそれに近いモデルを見ていきたい。

1. アルピーヌA110

アルピーヌA110のドライビング・エクスペリエンスは、ターボチャージャー付きエンジンの唸るようなトルクから、臨場感あふれる運転姿勢とハンドリングに至るまで、すべて「Fun」という言葉に集約されている。ライバルの追随を許さない個性的なドライビングを実現し、より深く探求することで愛着が増していくような、そんなダイナミクスを備えている。

車体を解剖すると、オールアルミニウム製のボディと、前後のサスペンションにダブルウィッシュボーンを採用していることがわかる。いずれも、一般的にスーパーカーに採用される類のもので、4気筒のアルピーヌに底しれぬ味わいを付加するための基礎となる部分だ。

1. アルピーヌA110
1. アルピーヌA110

後に登場したA110 Sでは、出力が255psから292psに向上し、サスペンションやブレーキも強化されたが、一般道での走行ではベーシックなA110の方がスイートで、マシンとしての魅力も放っている。このところ、限定モデルのレジェンドGTをはじめ、さまざまな特別仕様車が登場しているが、やはり我々を最も魅了するのは、ベーシックなA110である。

これほどまでにドライバーの関与を重視し、かつ、その結果に特化したクルマは、手頃なスポーツカーのなかでも稀有だ。前例はおそらく2012 年のトヨタ86だと思う。86は、1km走るごとに骨の髄まで吸い取られるような素晴らしいクルマだった。A110は、もっと速く、もっと機敏に、もっと饒舌に、そしてもっと楽しくなっている。このクルマには、もっと大きな拍手が必要だ。

2. ポルシェ718ボクスター&ケイマン

ダウンサイジングされた4気筒ターボガソリンエンジンでも、718は市販のミドシップスポーツカーの中で最も完成度の高いモデルと言える。2016年のデビュー以降、パワートレインに対する不満の声が各方面から上がっており、後にポルシェが最上位モデルのGTSにフラット6エンジンを導入するほど影響力があった。

しかし、4気筒を搭載しようが、6気筒を搭載しようが、ボクスターとケイマンはこれまでも、そしてこれからも、優れたスポーツカーであることに疑いの余地はない。

2. ポルシェ718ボクスター&ケイマン
2. ポルシェ718ボクスター&ケイマン

2016年の発売当時に搭載された2.0Lのフラット4と2.5Lのフラット4ターボは、音質が悪い、スムーズさやレスポンスのキレがない、リニアリティが薄い、ポルシェらしい純粋なドライバーの魅力に欠ける、といった批判を特に集めた。その後も、ポルシェは2.0Lエンジンを環境規制に合わせて再チューニングし、ボクスターTとケイマンTをリリースしたが、その無反応さが状況をさらに悪化させることになった。

しかし、2019年には自然吸気のフラット6エンジンを導入し、近年の業界では稀に見るUターンとなった。992型911の3.0Lエンジンをベースに4.0Lへ拡大し、ターボを外したこのユニットは、誰が見ても素晴らしいものだ。ただ、ロングギアのマニュアル・トランスミッションは、せっかくの性能をほとんど発揮してくれないのが残念だ。

実用的で、運転が楽しくて、4気筒でも十分に速い718は、すべてを備えている。これを打ち負かすには、一世一代のダイナミックな輝きを放つクルマが必要だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。愛知県在住。幼い頃から自動車/戦車/飛行機/宇宙船など乗り物全般が大好物。いつかすべての乗り物を手に入れることを夢見ている。最近はバイクの魅力に気づき、原付と中型を衝動買いしてしまった。大学卒業後、不動産営業と記事制作ディレクターを経て2020年に独立し、フリーランスとして活動開始。現在に至る。

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