【無いなら作る】世界一小さなタイヤメーカーが誕生 ドリフトが背景

公開 : 2021.02.06 05:45  更新 : 2021.10.13 12:14

こだわりのデザイン 性能のみ変更

そんなシバタイヤのタイヤパターンは、同社のトレードマークでもある稲妻を模したもの。これは柴田氏がカッコよさを重視して作り上げたもので、タイヤサイズが変わっても基本デザインは不変となる。

デザインを変えずに、どうやってタイヤの性能を変えているのだろう?

柴田達寛氏
柴田達寛氏

答えはタイヤのコンパウンドにあった。現状は180、240、380と3種類のトレッドウェアが用意され、ユーザーの使い方や走行シーンにあわせて選べるようになっているのだ。

このトレッドウェアは数字が小さくなるほどコンパウンドが柔らかくなり、グリップ力(粘り強さ)がアップするイメージ。その一方で柔らかいがゆえにライフは短くなる傾向といえる。

このようにコンパウンドを変えることで、同一のタイヤパターンでありながらタイヤの特性を変えることができる。つまり、タイヤの金型は1種類で複数のキャラクターのタイヤが製造できるということで、1本4400円からという驚異的な価格を実現しているのである。

また、現代のタイヤラインナップからすると少数派で選択肢が少なくなってしまった旧車にマッチするマニアックなサイズが中心となっている。タイヤチョイスに悩んでいた旧車ユーザーに支持されそうだ。

駆動方式にもよるが、クルマの前後のタイヤが受け持つ仕事が違うのは当然であり、前後のバランスを考えてさまざまな組み合わせができるというのがシバタイヤの特徴。

そして、当然ながらトレッドパターンは変わらないので、見た目がアンバランスにならないというのも重要なポイントだろう。

ちなみにこのトレッドウェアは暫定のものであり、ユーザーの声を採り入れて変更される可能性もあるとのこと。

まさにユーザーとともに歩んでいくタイヤといえるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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