見るだけで楽しいフォードのコンセプトカー 50選(前編) 華々しい「夢」のクルマたち

公開 : 2025.06.14 18:25

おそらく多くの人が見たことも聞いたこともないであろう、フォードの興味深いコンセプトカーを50台紹介します。かつて語られた「夢」を振り返り、革新的で美しい、少々奇抜なデザインの数々を見ていきます。

かつて語られた未来へ

フォード・ヘリテージ・ヴォールト(Ford Heritage Vault)は、自動車メーカーの公式オンラインアーカイブとしては非常に優れた情報源であり、その内容は日増しに充実している。最近の更新では、これまで公開されていなかったコンセプトカーの画像が多数追加され、その総数は2000点近くに及ぶ。

ここではすべてを紹介することはできないが、その中から50台のフォードのコンセプトカーを厳選し、時系列順に紹介していく。おそらく、多くの人にとっては初めて耳にするものばかりだろう。

興味深いフォードのコンセプトカーを50台紹介する。(画像は『モデルU』)
興味深いフォードのコンセプトカーを50台紹介する。(画像は『モデルU』)

FXアトモス(1954年)

FXアトモス(FX-Atmos)という名称は「未来の実験的な雰囲気」を意味している。フォードの副社長ルイス・クルーソー氏(1895-1973)によると、このコンセプトカーは「市販化を前提に考案されたものではなく、そのため、開発には機械工学的な考慮は一切含まれていない」とのことだ。

しかし、クルーソー氏は、「将来のスタイリングの可能性の1つを象徴している」と付け加えている。実際、バブルキャノピーやフロントから突き出た鋭いスパイクは普及しなかったが、1954年当時まだ一般的ではなかったテールフィンやエクステンデッド・リアライトは、やがて主流となった。

FXアトモス(1954年)
FXアトモス(1954年)

ラ・ギャラクシー(1957年)

シカゴで発表された6人乗りのラグジュアリーコンセプトカー、ラ・ギャラクシー(La Galaxie)は、FXアトモスに比べてやや未来感の薄いデザインだった。カウル付きヘッドライトは珍しかったが、逆傾斜のリアウィンドウと非常に長いトランクは、すでにマーキュリー・ターンパイク・クルーザーで実用化されており、1950年代末には英国製フォード・アングリアの最終世代にも採用された。

しかし、前席乗員の頭上まで続くフロントガラスは異例だった。フォードの説明によると、ラ・ギャラクシーでは「前方の車両や物体に危険なほど接近した場合に、自動的にクルマを停止させる電子式接近警報装置」のアイデアも「構想」されていたが、このような技術が実用化されるのは何年も後のことであった。

ラ・ギャラクシー(1957年)
ラ・ギャラクシー(1957年)

クーガー406(1962年)

1962年2月16日、その年のシカゴ・モーターショーの開幕前日に発表されたフォードのプレスリリースによると、クーガー406は「最も熱狂的なスポーツカーファンを魅了するデザインと、パーソナルカーに求められる快適性とスタイルを併せ持つ」クルマだという。最も注目すべき特徴はガルウィングドアで、メルセデス300SLとは異なり、こちらは電動式だった。

このコンセプトカーの名称は、フォードのFE V8エンジンファミリーに新たに追加された、排気量406立方インチ(6.7L)のエンジンに由来している。

クーガー406(1962年)
クーガー406(1962年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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