トヨタ・ヤリス

トヨタ・ヤリスなんかも選べたりして。

高価なGRヤリスじゃなくても、ヤリスにはMTが用意されている。もっともリーズナブルなのは1.5Lエンジンを積む「X」で154万3000円（先進安全装備含めて！）。パワーも120psとまずまずで、ギアボックスもしっかり6速。ご存じのとおり新型ヤリスの走りは評価が高く、スポーツモデルじゃなくても充実したMT生活が送れるはずだ。

ただ、走り好きにとってはヤリスの本命はそれではない。ヤリスは「ヤリス・カップ」というナンバーつき車両によるワンメイクレースを開催するが、そのための車両（もちろんMTもある）が用意されているのだ。

エンジンは1.5Lで最高出力も含めて普通のモデルと変わらないけれど、約15mmローダウンの専用チューニング・サスペンション（リアダンパーは減衰力14段調整式）や6点式シートベルト、オイルクーラー、そしてなんと6点式＋サイドバーつきのロールケージまで標準装備。

それでいて217万1100円（6MT）なのだからバーゲンプライス。オーディオはついていないし、エアコンはマニュアル式だし、タイヤは14インチ＋スチールホイールで衝突被害軽減ブレーキなど先進安全装備も非採用だけど、かなり気になる存在。サーキット走行を考えているなら、こんなに魅力的なクルマはないかも。

ホンダS660

ところで、ホンダの軽自動車といえばピュアスポーツカーがあるのを忘れていた。その名はS660だ。

プラットフォームは専用設計で、エンジンはミドシップに搭載。かなり贅沢なクルマであり、走りのファン度はいわずもがな。2シーターで荷物を置く場所にも困るほど実用性はないけれど、それらは最初からあきらめていればどうってことはない。いいじゃないの、リアルスポーツカーなんだから。

でも、お高いんでしょと思っていたら、ベーシックグレードの「β」なら203万1700円。あれ、Nワンとあまり変わらない（先進安全機能をはじめ装備の違いはあるけれど）。上級グレードの「α」も232万1000円だ。

しかも、残価設定ローンを組むと、頭金＆ボーナス払いなしでも5年契約で月々2万7000円に満たない支払額。そんな手頃感を知ってしまうと、明日にでも買いに行きそうになってしまうではないか。

欲しいならいまのうち？

というわけで、待望のMTが用意されたNワンはたしかにいいクルマ。魅力的な選択肢だ。自動車メディアがもてはやすのも、もっともだ。

でも一歩引いて考えてみたら……意外に競合が多くて悩ましいことにも気がついた。ちっかりあるのです、MTを選べる手頃な車種が。

ところで、そうやってMT車のことをあれこれ考えていたときに頭をよぎったのは例の2035年問題。「新車は電動車しか買えなくなりそう」という件だ。

電動車という言葉にはEVだけでなくハイブリッド車も含まれるけれど、そのときには燃費規制が厳しくなって手頃なMT車なんて買えなくなってしまう可能性が高いといわざるを得ない。

何がいいたいかというと、MT好きなら今のうちに買って楽しむしかないということ。販売が終わってから「やっぱり買えばよかった」とか「惜しいクルマをなくした」なんていいたくないからね。

いつ買うの？

……今でしょ！

画像　Ｎワン、アルトワークスなど【MT車ライバル比較】　全200枚