【溶け込むような幸福感】アウディA6 50 TFSIe クワトロへ試乗 2.0LガソリンのPHEV 

公開 : 2021.01.30 10:25

アウディのミドルサルーン、A6。BMW 5シリーズに並ぶダイナミックさはないものの、落ち着いた走りという別の魅力を備えます。ガソリンターボに電気モーターが組み合わされたプラグインHVを英国編集部が評価しました。

もくじ

2.0L 4気筒ガソリン+モーターで299ps
ドライバーに溶け込むような幸福感
従来のディーゼルエンジン代わる選択肢
アウディA6 50 TFSIe クワトロ Sライン(英国仕様)のスペック

2.0L 4気筒ガソリン+モーターで299ps

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
クルマ好きなら、アウディRS6を今の時代でも正当化したいと考えるだろう。ワゴンボディで大きな荷室もあるし、ファミリーカーとしても使える。ただし、なかなか手の届きにくい金額ではある。

それでは、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のアウディA6はどうだろう。今回試乗するA6 50 TFSIeなら、英国では5万2790ポンド(739万円)からと、少し現実的な金額が付いている。燃費もずっと良い。

アウディA6 50 TFSIe クワトロ Sライン(英国仕様)
アウディA6 50 TFSIe クワトロ Sライン(英国仕様)

ただし、今回の試乗車の場合はSラインで、5万6450ポンド(790万円)に上昇していた。ステーションワゴンのアバントにするなら、さらにもう少し必要だ。金額的には、BMW 530eに近い。

大きなボディだが、エンジンは2.0LガソリンターボのTFSI。デュアルクラッチATと一体になった電気モーターが143psをアシストし、システム総合での最高出力は299psとなる。

システム総合の最大トルクは45.8kg-mと太く、中回転域では充分に活発。530eより少し上回っている。

ちなみにA6のPHEVには、さらにパワフルな55 TFSIeもある。こちらのシステム総合の最高出力は367ps。電気モーターは50と同じ143psだが、2.0Lガソリン・ターボエンジンはブースト圧を高め、馬力が異なっている。

今回の試乗車、A6 50 TFSIeに搭載されるバッテリーの容量は14.1kWhあり、公証での航続距離は53kmがうたわれる。悪くない数字ながら、試乗日のように寒い冬場の場合、実際には32kmくらいしか走れない。

ドライバーに溶け込むような幸福感

A6 50 TFSIeは、電気モーターだけで135km/hまで出せる。高速道路を使った通勤でも、短距離ならガソリンを燃やさずに走れるだろう。

アウディに期待するとおり、インテリア素材や設えにスキはない。タッチモニターは、すべてのオーナーが気にいるとは限らないものの、操作すると触覚とサウンドでフィードバックがある。誤ってエアコンを28℃にしても、暑くなる前に気付けるかもしれない。

アウディA6 50 TFSIe クワトロ Sライン(英国仕様)
アウディA6 50 TFSIe クワトロ Sライン(英国仕様)

0-100km/h加速は6.2秒で、充分なダッシュ力を備える。BMW 530eの場合は、5.9秒と若干速い。

それ以上にPHEVのA6で印象的なのが、50km/hから110km/hくらいまでの中間加速。とても鋭く加速し、現実世界での自動車移動を安楽なものにしてくれる。トラックに限らず、周囲のクルマを置き去りにして、一歩先を急げるだろう。

電気モーターは上手にターボラグを埋めて、とてもスムーズに速度を高める。全力で加速する場面では、少しトランスミッションの反応が遅く感じるほど。

乗り心地はとても滑らか。鋭い隆起部分や舗装が剥がれた凹みでも、なだらかにいなしてくれる。パワーユニットのレスポンスと合わせて、ドライバーに溶け込むような幸福感のある走りを味わえる。

マイナス面は、運転で得られる充足感が薄いこと。PHEV版のA6は、50でも55でも四輪駆動のクワトロとなる。必要に応じて前後タイヤへかかる駆動力を変化させてくれるが、ドライバーを中心に気持ちよく旋回していくという感覚は今ひとつ。

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