【字幕付き動画】比較試乗 ホンダ・シビック・タイプR vs トヨタGRヤリス 日本が世界に誇るホットハッチ

公開 : 2021.02.28 22:15

英国編集部が最高のホットハッチと評するシビック・タイプRを、同価格帯のトヨタ最強ホットハッチ、GRヤリスと乗り比べます。目指す方向性には若干の違いがありますがどちらも他のクルマにない特別感を得られます。

ホットハッチ界の911GT3

ホンダシビック・タイプRはわれわれがホットハッチ界のリーダー的存在と考えるクルマだ。しかもこれは普通の2020年式タイプRではなく、英国では100台のみの限定車だ。ラジオもエアコンもなく、遮音材の削減や20インチの軽量ホイールによる軽量化が図られている。

標準のシビックは5ドア5シーターのハッチバックだが、ホンダはこれに300ps超の2Lターボを搭載し、機械式LSDと6速MT、アダプティブダンパーや大径ブレーキを奢った。さらに随所に用いられる赤パーツと素晴らしいシートにより、現代において最速かつ最も楽しめるホットハッチの1台を生み出した。

良い点を挙げればキリがないが、乗り心地は引き締まりつつも不快さはなく、ステアリングは驚くほどダイレクトかつ正確で、フィードバックも豊かだ。飛ばしていても流していても素晴らしく、公道でもサーキットでも楽しめる。ホットハッチ界で最もGT系ポルシェに近い存在だ。

しかし今年はシビックの独壇場とは言えないかもしれない。それはもう一台のわたしのお気に入り、トヨタGRヤリスがいるからだ。こちらはシビックよりさらに小さく、前輪駆動でもない。ホットハッチというよりラリー・レプリカと呼ぶのが適切だろうか。

ラリーレプリカのような楽しさ

通常のヤリスには5ドアモデルは設定されていないが、WRCのレギュレーションではロードカーと同様のボディが必要であり、ラリーチームが3ドアを望んだようだ。結果としてさらにワイド化および引き締めが行われただけでなく、超小型車としては珍しくリアにトーションビーム式ではなくダブルウィッシュボーン式サスが与えられている。

さらに駆動系までWRCに準じたものが与えられ、非常に高過給な1.6Lの3気筒ターボは260psを発生、6速MTを介して四輪を駆動する。駆動配分は調整可能で、スポーツでは大半をリアに分配するが、トラックモードではおよそ50:50になっている。

トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリス

まさに古典的なラリーレプリカといえるクルマで、ホモロゲーションモデルではないものの昔のインプレッサ・ターボやランチア・デルタ・インテグラーレを想起させる。まさに暴れ馬で、本当に楽しいクルマだ。シビックはより焦点を絞った仕上がりなのに対し、こちらはそれよりも懐が深い印象を受けた。

ボディコントロールも素晴らしく、多少のロールはあるものの落ち着かせてパワーを与えれば絶大なトラクションとグリップが得られる。ワインディングロードに持ち込めば、ボディの小ささも相まってより走りに集中できるだろう。公道に限って言えば、600psや700psを誇るどんなスーパーカーよりも楽しめる。

シビック・タイプRとGRヤリス、どちらも常に特別感を感じられる素晴らしいクルマだ。この世界にこんなクルマはそうそう存在しない。詳細は動画にてお楽しみいただける。

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