【1年も前から】違法「後付け」チャイルドシート部品 大手通販サイトで販売 国交省/サイトの対応は

公開 : 2021.06.18 05:45

違法な後付けチャイルドシート部品が大手通販サイトで販売。国交省、通販サイト運営会社を直撃しました。

ISO FIXチャイルドシートの普及進む

text:Kumiko Kato(加藤久美子)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

チャイルドシートをクルマのシートに固定するにはシートベルト固定と、ISO FIX固定の2種類がある。

かつてはシートベルトでの固定が主流だったが、現在はISO FIX固定が急増している。

日本からも購入できる海外通販サイトにも多様な後付けISO FIXが販売されている
日本からも購入できる海外通販サイトにも多様な後付けISO FIXが販売されている

ISO FIX金具(正式名称はISO FIX下部取付装置)を備えた車両が増えてきたことやISO FIXチャイルドシートの種類が増え価格もリーズナブルになってきたことが主な理由だ。

2012年7月1日以降、販売されるほぼすべての乗用車(一部の2シーター車は除く)にISO FIX金具が義務付けられたのだが、実際には2008~2009年以降にモデルチェンジを受けた乗用車(ミニバン/SUV含む)にはISO FIX金具が装備されていると思っていいだろう。

ISO FIXはシートベルトに比べて取り付けが簡単で、チャイルドシート側の金具をクルマ側の金具にガチャッとはめ込むだけで完了する。

確実に取り付けるにはかなりの労力とコツが必要だったベルト固定に比べると簡単にしっかりと取り付けられる。

クルマ側のISO FIX金具は後部座席の左右座席、背もたれと座面の継ぎ目(腰が当たるあたり)に設置されている。シートの形状によって金具が露出しているものもあれば、継ぎ目の間に隠れるように装備されている場合もある。

いずれにしても、ISO FIX金具はクルマの剛体部についているもので、自動車メーカーがクルマを製造するときに作られる。

チャイルドシート(ECE R44/04やR129)と同様、ISO FIX装置に関しても国連(UN規則R14)による厳格なルールのもと製造されている。

ISO FIX金具は車両剛体部に装備

衝突事故などで強い衝撃を受けた場合、チャイルドシートを取り付けているISO FIX金具の部分にも想像を絶する加重が掛かるためシートレールなどと同様、強度を担保する必要がある。

もちろん強度だけではなく、角度や距離、素材、振動に対する移動量など1000以上に及ぶUN規則によってさまざまな基準が定められており、それを満たさないISO FIX金具は保安基準適合とみなされない。

ISO FIX金具(下部取付装置)の位置に関する規定がこちら。前部の角度要件だけでもこれだけ細かい基準がある。もちろん、この基準に合わないものは認証を与えられないのだ。
ISO FIX金具(下部取付装置)の位置に関する規定がこちら。前部の角度要件だけでもこれだけ細かい基準がある。もちろん、この基準に合わないものは認証を与えられないのだ。

UN規則で「ISO FIX」は以下に定義されている。

2.16. 「ISO FIX」とは、年少者用補助乗車装置を車両の剛体部に取り付ける装置2個とそれに対応する年少者用補助乗車装置(=チャイルドシート本体)の剛体に取り付けられた装置2個及び年少者用補助乗車装置の上下回転を防ぐ中心位置の機構をいう。

もうおわかりかと思うが、「オプション」や「後付け」はありえないのである(ISO FIXの黎明期、2000年代初頭の全車義務付けになる以前には一部車種でメーカー純正オプションのISO FIX金具が存在していたことはある。当時は特定の車種に特定のISO FIXチャイルドシートという状態で試験がおこなわれていたため、これでも基準をクリアできていた)

ISO FIX金具に関して、いかに厳しく細かい規定があるかはおわかりいただけただろうか。

自動車メーカーとは何の関係もない中国の製造会社が適当にみよう見まねで作ったISO FIX金具の販売は許されない。

部品自体は頑丈なスチール製だが、支えているのはシートの背もたれだ。

100km/hでの衝突はビルの10階(約40m)から、60km/hでもビル4階(約14m)からの落下に相当する衝撃とされている。

シートの背もたれがそんな衝撃を支えられるはずもない。ISO FIX金具ごとチャイルドシート本体が外れて、車外に放出されるなど命に係わる危険も考えられる。

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