復路も要注意 危険「厚着でチャイルドシート」 事故の瞬間、子ども飛びだすことも

公開 : 2022.01.02 13:00  更新 : 2022.01.02 15:46

安全性の高いチャイルドシートでも、滑りやすい上着を着せたままの使用はNG。安全な乗せ方を解説します。

厚着=危険な乗せ方?

執筆:Kumiko Kato(加藤久美子)

今やチャイルドシートの取り付け方法はISO FIXが主流だ。

日本では2000年4月にチャイルドシートの使用が法制化され、やがて日本におけるチャイルドシートの安全基準も国連欧州基準(UN-ECE)に統一された。

分厚く滑りやすい生地の上着を着たままで子どもをチャイルドシートに乗せるのは危険
分厚く滑りやすい生地の上着を着たままで子どもをチャイルドシートに乗せるのは危険    AUTOCAR JAPAN編集部

2012年7月1日からはUN-ECE R44/04の認証を受けていないチャイルドシートは新規販売終了(旧基準のものは保安基準を満たさないため流通不可)となった。

現在、日本で使用ができるのはECE R44/04またはECE R129の基準を満たしたものだけだが、2点式シートベルトしかないクルマは2点式に対応している米国保安基準FMVSS213に準拠したチャイルドシートの使用も認められている。

かつてチャイルドシートの取り付けといえば、クルマのシートベルトを使って固定する方法しかなかった。

しかし10年ほど前から汎用のISO FIXチャイルドシートが普及し始め現在、新品で販売されているISO FIXは乳児用/幼児用においては8割近くに達している。

がっちり取り付けるには相当な労力とワザが必要だったベルトタイプに比べてISO FIXはチャイシー側の金具をクルマ側の金具(後部座席の背もたれと座面の間にある)にガチャっとはめ込むだけでOK。

誰もが安全に確実に取り付けができることが大きなメリットとなり急速に普及した。

しかし、ISO FIXが普及して確実な取り付けが簡単になった一方で、海外の消費者団体や子どもの安全を守るための公的機関などが、こぞって注意喚起をおこなうようになったことがある。

寒い時期になるととくに命に係わる懸案事項として、安全意識が高い国内外のチャイルドシートメーカーも公式サイトなどで注意喚起を行っている。

その注意喚起とは「分厚く滑りやすい生地のコートを着たままで子どもをチャイルドシートに乗せないで!」ということだ。

一体何が危険なのか。

上着から子どもが飛び出す?

分厚い上着の何がダメなのか?

フワフワ、モコモコのジャケットを着た状態でチャイルドシートに乗せてハーネスを締めた状態は、一見すると何の問題もないように見える。

衝突の衝撃で子どもが放出される実験結果
衝突の衝撃で子どもが放出される実験結果    米国の消費者組織「コンシューマー・リポート」

しかし、この状態で追突や横転などで強い衝撃を受けるとどうなるのか?

子どもの身体はハーネスの間をすり抜けて、分厚いジャケットからも放出されてしまう。

とくにダウンジャケットや中綿入りのコートは大人用でもそうだが、軽量で表面が滑りやすい素材でできている商品が多い。

よりいっそう拘束力が弱く、いっそう放出されやすい状態となる。

最悪の場合、車外に放出される危険もあるだろう。

では、なぜガチャッとバックルに差し込んだはずのハーネスが役に立たず、子どもの身体がハーネスからすり抜けてしまうのか?

欧米やオーストラリアなどのメディアや消費者団体や公的機関が数多く、その危険性を指摘しているが、米国の消費者組織「コンシューマー・リポート」の動画を見ると一目瞭然だ。

コンシューマー・リポート

1936年に米国で設立された非営利の会員組織。市場における真実、透明性、公平性のために消費者と協力して活動している。63のラボと327エーカーの自動車テスト場で毎年何千もの製品をテストしており、その結果は雑誌「Consumer Reports」や公式サイトで公表されている。ちなみにチャイルドシートはこれまで135機種がテストされてきた。

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    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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