2000年代のスバル代表 インプレッサ WRXとWRX STI(2代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.06.17 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

この価格帯で、驚くほどの粘り強さとスピードを兼ね備えたクルマは、他に例を見ない。郊外の道では、圧倒的な加速力と制動力、回答性を披露する。

加えて、実用性の高さも特筆モノ。一般道では引き出しきれない限界性能を、乗りやすさを犠牲にすることなく実現している。(2001年4月11日)

スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)
スバルインプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

2.0Lの場合、カムカバーやサンプカバーの継ぎ目からエンジンオイル漏れがないか確かめる。2.0Lユニットのピストンは鍛造だが、2.5Lエンジンのピストンは過共晶合金の鋳造。ピストンリングに絡む不具合が多いようだ。

また、2.5Lユニットの場合はヘッドガスケットが痛みやすい。350馬力以上までチューニングされている例などは、内部強化も必要になる。シャシーダイナモで、実際の出力状態も確認しておきたい。

スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)
スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)

オイル冷却のターボからの滲みや、インタークーラーのフィンの状態も確かめる。エンジンオイルは10W-40か10W-50の全合成油がベスト。交換指定は、英国では1万6000km毎となっている。シェルのVパワーなど、高性能ガソリンで本領を発揮できる。

トランスミッション

リアデフからのフルード漏れがないか、リアデフとセンター・ビスカスカップリングから異音や振動がないか確かめたい。

サスペンション

ダンパーロッド・シールが傷み潤滑性が失われ、リアストラットの動きが渋くなることがある。

ボディ

ラジエーターのサポートパネルは、Cサブフレームと同様に錆びがち。後期型では、プラスティック製アンダーカバーの裏が錆びていないか調べたいところ。

ドアやトランクなどのパネルの隙間が一定でない場合は、事故歴を疑う。アフターマーケットのパーツが取り付けられている場合は、取り付け方法が適正かどうか確認したい。

専門家の意見を聞いてみる

ケビン・ナイト氏:スクービークリニック社

「2001年から2007年までのインプレッサWRXとWRX STIは、今でも個性の強い、アイコン的なスバル車ですね。しかし新しいモデルではないので、ひどく改造されている例も少なくありません。ハードな走りに耐えてきたクルマも」

スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)
スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)

「専門ショップによって丁寧にモディファイされた例を除いて、今は可能な限りノーマル状態を探すべきでしょう。英国仕様の初期と中期型では、2.0Lターボに少し手を加えるだけで、400馬力は簡単に出せます。スバルの最高作品の1つだと思います」

「6速トランスミッションも堅牢です。レーシングカーでは、750馬力まで耐えていますからね」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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