小変更でショールーム・アピール向上 キア Xシード PHEVへ試乗 後期も人気維持予想

公開 : 2022.08.06 08:25

クイックで正確なステアリング

ステアリングレシオはクイック寄りにあり、軽快にフロントノーズの向きが変わる。ステアリングホイールへ伝わってくる感触は小さいものの、重みづけは好印象。正確性にも優れる。

グリップ力は高いといえ、姿勢制御も良好。狙い通りにコーナーをライン取りしていける。攻め込んでいくと、駆動用バッテリーで増えた質量を感じてしまう。そのまま限界領域へ達すると、穏やかなアンダーステアで教えてくれる。

キア Xシード PHEV 4(欧州仕様)
キア Xシード PHEV 4(欧州仕様)

一方で、車重の軽い1.5Lのガソリンターボでは、機敏な身のこなしと落ち着きのある挙動が備わっていた。乗り心地も、衝撃吸収性でPHEV版に勝る様子。

パワートレインに関わらず、惹き込まれるようなドライビング体験を与えてはくれない。鋭いコーナリングを楽しむのではなく、穏やかにストレスフリーに運転するスタイルが向いている。ソフト方向に振られたシャシーは、Xシードの個性とも合致する。

英国価格はまだ発表されていないが、数100ポンド(数万円)の上昇で抑えられるようだ。快適性を増し、大きくなった荷室を考えれば納得できる範囲といえる。装備も充実していて、実用性も高い。

マイナーチェンジ後も、キア Xシードが多くの支持を集めることは間違いないだろう。ただし筆者が選ぶなら、PHEVより手頃な1.5Lガソリンターボを選ぶとは思う。

キア Xシード PHEV 4(欧州仕様)のスペック

英国価格:−
全長:4395mm
全幅:1826mm
全高:1483mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:11.0秒
燃費:71.4km/L
CO2排出量:32g/km
車両重量:1609kg
パワートレイン:直列4気筒1580ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:8.9kWh
最高出力:141ps/4000rpm(システム総合)
最大トルク:26.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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