メルセデス・ベンツEQE 詳細データテスト 徹底した快適志向 良好な操縦性 らしさのない質感

公開 : 2023.01.14 20:25  更新 : 2023.02.13 07:56

メルセデスEQのミドルサイズサルーンは、フラッグシップ譲りのデジタル装備や秀逸な快適志向は評価できます。しかし、高級EVに期待される圧倒的なパフォーマンスや、メルセデスらしい重厚な質感に欠けるのもまた事実です。

はじめに

世界最古の自動車メーカーとして語られることの多いメルセデス・ベンツだが、イノベーションを常に模索するメーカーでもある。それも、ほかの老舗であれば二の足を踏むようなやり方でだ。

最新のミッションは、電動化時代に向けたビジネスサルーンの見直しだ。それがどのようなものかを体現しているのが今回テストするEQEである。

テスト車:メルセデス・ベンツEQE 350+ AMGライン・プレミアム・プラス
テスト車:メルセデス・ベンツEQE 350+ AMGライン・プレミアム・プラス    MAX EDLESTON

この中型サイズの電動高級サルーンは、少し前にロードテストを行った兄貴分のEQSに続いて登場した。この2台、プラットフォームを共有し、超スリークなデザイン言語も共通している。もちろんどちらも、2016年にゼロエミッション車をラインナップするべく設立されたEQブランドに属するモデルだ。

既存のエンジン車と同じブランドでEVをリリースするメーカーが大多数を占めるが、メルセデスはEV専業ブランドを立ち上げた。これにより、デザイナーやエンジニア、商品プランナーの仕事における自由度を高めることが可能になる。もっとも、過去5年間に登場したEQブランドのモデルのなかには、ガソリン車と酷似したものもなかったわけではないが。

とはいえそんな指摘は、良くも悪くも、大胆で未来的な大型サルーンのEQSには当てはまらないし、EQEでもまたそれと同じことがいえる。いまや、メルセデスEQの展望がどのようなものなのかを、われわれはまざまざと見せつけられている。しかし、見ただけではわからないこともある。それを探っていこうというのが、今回のロードテストの狙いだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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