車名はズバリ「SUV」 全長5.1m、堂々たる大型EV 2023年開発テスト本格始動へ

公開 : 2023.01.17 18:05

イタリアの新興企業アエラは、新型EV「SUV」を2025年に発売する予定です。これに先立ち、早ければ今年末にも路上でのテスト走行を開始するとのこと。開発メンバーには有名企業出身のベテランが集まっています。

今年末にも公道テストへ 新興企業の柔軟なアプローチ

イタリアと米国に拠点を置く新興EVメーカー、アエラ(Aehra)は、同社初の市販モデルとして「SUV」(正式名称)を2025年初頭に発売する予定だ。早ければ今年末に開発車両の公道走行テストを開始するという。

電気のみで走るバッテリーEVで、価格は15万5430ポンド(約2400万円)から。テスラモデルXBMW iXロータスエレトレなどと並ぶパフォーマンス志向の高級SUVとなる。

アエラ初の市販モデル「SUV」は、最高出力800ps、航続距離800kmのEVとなる。
アエラ初の市販モデル「SUV」は、最高出力800ps、航続距離800kmのEVとなる。    アエラ

アエラのハジム・ナダCEOはAUTOCARの取材に対し、開発車両による公道テスト開始時期を「2023年末を目標」としていると答えた。また、今回、フェラーリとロータスで経験を積んだフランコ・カメッティ氏が新型SUVの開発を率いることが明らかになった。

アエラは新型SUVに続いて、数か月以内にセダンモデル「サルーン」の発売も計画している。プラットフォームとドライブトレインの大部分に「既製品」の部品を使うことで、2台の開発期間を大幅に短縮することができるという。ナダCEOは次のように述べている。

「現在販売されている既製品を使ってプロトタイプの製作を依頼することもできましたが、リソースと時間の無駄だと思いました。そのようなことは、主に資金調達のため、知名度を上げるために行われることが多いですね。当社の製品は、すでに多くの人に注目されていると思います。プロトタイプを作り、さらに別の既製品でプロトタイプを作り直し、エンジニアリングリソースを再構築する必要はないと考えています」

車内に巨大スクリーン 映画鑑賞やミーティングに

アエラが昨年末に公開した新型SUVは、車内を映画館に変える「ホームシアターモード」を特徴としている。ダッシュボード上部の大型モニターを搭載し、駐車時にフロントガラス全体を覆うように展開する仕組みとなっている。映画鑑賞だけでなく、ラウンジやミーティング用のモードも備わっているという。

また、3.0mのホイールベースとショートオーバーハングによって生まれた室内空間を最大限に活用し、平均身長2mのNBAバスケットボール選手4人が「快適」に乗れる広さを確保したという。車体の全長は5.1mとされる。

3.0mのロングホイールベースを活かし、ゆったりとした室内空間を実現している。
3.0mのロングホイールベースを活かし、ゆったりとした室内空間を実現している。    アエラ

アエラはこの新型SUVについて、最高出力800psと800kmの航続距離を持ち、BMW iXやメルセデス・ベンツEQS SUVなどの「超高級車市場」を揺るがすモデルであると語っている。容量120kWhのバッテリーを使用し、3基のモーター(フロントアクスルに1基、リアに2基)を搭載する四輪駆動となる。

車名はずばり「SUV」で、他社のように個別の名称は与えられない。「クルマに名前をつけることで、市場を狭めるようなことはしたくない」とアエラは説明する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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