驚異的な速さを誇るハードコア・スポーツカー 10選 究極のドライビング・エクスペリエンス

公開 : 2023.06.11 18:05

2. マクラーレン765LT

マクラーレンのスペシャルモデル「ロングテール」シリーズの最新作765LTは、欠点がないわけではないが、サーキット・スーパーカーの上位に位置する爆発的なパワーを持ったクルマとして、かなり驚異的な存在である。

まず第一に、765LTに注ぎ込まれた努力と費用は評価に値する。720Sのようにすでに軽量なクルマから重量を削るのは並大抵のことではなく、チタン製ホイールナットや薄いガラスの採用など、極端な措置を取らざるを得なかったが、その結果、合計で80kgもの軽量化に成功し、パワートレインにかかる負担を大幅に減らした。

2. マクラーレン765LT
2. マクラーレン765LT

そのパワートレインは、マクラーレンの4.0LツインターボV8。このクルマのために最高出力765psにチューニングされ、ファイナルドライブを短くすることで、首を持っていかれるような加速を実現している。

しかし、765LTが720Sと大きく異なるのは、より柔軟なバランスとハンドリングだ。単純に、このクルマは遊びたいのであって、おそらくマクラーレンがこれまでに作ったクルマの中で最も楽しいものだろう。コーナーのどの場面でもヨーがかかり、そのために速度が犠牲になることもあるが、ダイナミズムとマクラーレンの特徴的なステアリング、そして軽快感が組み合わさることで、深く印象に残るドライビング・エクスペリエンスを実現している。

ただし、そう簡単には乗りこなせないので、ドライバーは気概を示す必要がある。

3. ランボルギーニウラカンSTO

ランボルギーニがドラマチックなものを作ってくれることは間違いないが、通常、シャープさ、安定性、サーキット走行性能においてポルシェと互角に渡り合うことはない。しかし、718ケイマンGT4 RSと同じような展開で、ウラカンの生産終了が近づくにつれて、エンジニアは自由を得たようだ。

ハイブリッドの後継車が登場する前に、ウラカンは後輪駆動のサーキット仕様に仕上げられた。ガラスとカーボンファイバー製ボディパネルを薄くして軽量化し、大幅にアップグレードしたエアロパッケージによってターマックに押し付ける。速度280km/hでリアウイングを最もアグレッシブな設定にした場合、最大420kgのダウンフォースが得られ(調整には専用工具が必要)、空力効率はウラカン・ペルフォルマンテより37%向上している。

3. ランボルギーニ・ウラカンSTO
3. ランボルギーニ・ウラカンSTO

当然、コース上では圧倒的なグリップ力を発揮し、コーナーでは恐ろしいほどのスピードで駆け抜けることができる。また、カーボンセラミック製ブレーキは強力で、まるで疲れを知らないかのようだ。より公道走行に適したタイヤを選択した場合でも、驚くほど遊び心がある。

ウラカンSTOの注目すべき点は、公道でいかにおとなしく、運転しやすいかということだ。確かに乗り心地は硬めだが、アダプティブダンパーがエッジをすべて丸くしてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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