「想像外!」が絶対使命 電動車「レヴエルト」で実感した、ランボルギーニの未来

公開 : 2023.06.11 12:15

「レヴエルト」は、ランボの量産車初のPHEV。電動化の方向性を示すスタイリングには、どんな想いが詰まっているのか。来日した幹部に話を伺いました。

計画通りに進む「コル・タウリ」

ランボルギー二の電動車「レヴエルト」の実車をじっくり見て、またランボルギーニ関係者から直接話を聞いて、ランボルギーニがこれから進む道筋がくっきりと見えた。

時計の針を少し戻すと、2022年11月に都内で開催された「ウルス・ペルフォルマンテ」の発表会で、ランボルギーニ本社のトップであるステファン・ヴィンケルマンCEOから同社の電動化事業構想「コル・タウリ」について詳しい話を聞いた。

6月6日。レヴエルト日本披露のために来日したデザイン部門のトップ、ミィティア・ボルケルト氏。
6月6日。レヴエルト日本披露のために来日したデザイン部門のトップ、ミィティア・ボルケルト氏。    前田惠介

その際、モデルラインナップの今後の変化について、ヴィンケルマンCEOは次のように言及した。

当時のカタログモデルは「ウルスS」「ウラカンEVO」の2つのみ。そこに「ウルス・ペルフォルマンテ」と、「ウラカン」最終モデルが加わる。

また、「アヴェンダドール」は最終モデル「LP780-4ウルティメ」で生産終了。デリバティブ(派生車)は「ウラカンSTO」「ウラカン・テクニカ」。さらに、限定112台、「カウンタックLPI800-4」とワンオフモデルが登場。

そして、2023年には「コル・タウリ」が本格始動し、量産ランボルギーニ初のPHEV(プラグインハイブリッド)を導入。続く2024年には、全モデルをPHEVとして、2028年にはグループ内でのリソースを最大限に活用した4ドアEVスポーツカーを投入するとした。

つまり、2023年登場のPHEVこそ、「レヴエルト」なのだ。

猛牛のヘリテージから感じる未来

レヴエルトのパワースペックは、リアに排気量6.5リッターのV12エンジン(L545)を搭載し、新型8速DCTとモーターを一体化。

さらに、2基のモーターで前輪を駆動する四輪駆動システムを持つ。リチウムイオン電池はボディ中央に配置する。

ミィティア・ボルケルト氏と筆者。
ミィティア・ボルケルト氏と筆者。    前田惠介

電池容量や満充電までの時間が今回は非公開。充電方式は、交流による普通充電口が車体前部にある。

レヴエルトの実車を今回初めて見て、舞台右後方に飾られた「カウンタック」との共通性を強く感じた。

両車の誕生には50年以上の開きがあるが、レヴエルトは宇宙的なイメージのスーパースポーツV12としてヘリテイジが盛り込まれている。

今回の発表会にイタリアから来日した、ランボルギーニ本社のデザイン部門総責任者、ミィティア・ボルケルト氏は、筆者の「V12ヘリテージの中でも、直感的にカウンタックに近いと感じたのだが?」という指摘に対して次のように応えた。

「ランボルギーニのDNAを盛り込んだ。(当然だが)カウンタックを連想するかもしれないし、ドアの開口部からディアブロを思い浮かべるかもしれない。(そうしたDNAを引き継いだ上で)今後10数年間の“未来のランボルギーニ”が分かる存在だと思う」。 

さら「レヴエルトはまさに、ランボルギーニにとってのピース・オブ・アート(芸術品)である」とも表現した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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