航続距離513km ヒョンデ・コナ・エレクトリックへ試乗 ホンダe:Ny1のライバルが一新

公開 : 2023.10.18 19:05

ヒョンデの電動・小型クロスオーバーが2代目へ ロングレンジは航続距離513km   ファミリーカーとして不満ない動力性能 英国編集部が試乗

ホンダe:Ny1やアット3のライバル

最近の欧州では、バッテリーEVのクロスオーバーが熱い。選択肢が増え続け、競争は激しくなるばかり。そこへ新たに、2代目へモデルチェンジしたヒョンデ・コナ・エレクトリックが参戦する。

新しいヒョンデ・コナには、ガソリンエンジン版と、それに電気モーターを組み合わせたハイブリッド版も存在するが、開発の主軸になったのはバッテリーEV版だったという。実際、欧州の販売数の40%を占めるだけに、この優先順位には納得できる。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック(欧州仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック(欧州仕様)

2代目コナの全長は、先代より145mm長くなり、4355mmになった。プジョーe-2008やBYDアット3だけでなく、ホンダe:Ny1にとっても、より直接的なライバルへ成長したといえる。

拡大されたボディのお陰で、車内空間にはゆとりが生まれた。身長が190cm近くある大柄な大人でも、リアシートで快適に過ごせる。荷室容量も144L拡大したという。

シフトセレクターは、センターコンソール上からステアリングコラム側へ移動。フロントシート間には、大きな小物入れが用意されている。

インテリアデザインも一新され、ダッシュボード上には12.3インチのモニターが2面並ぶ。中央側のタッチモニターの下には、実際に押せるハードボタンが並び、操作性も良好。もう少し、タッチモニターの反応が良ければ理想的だろう。

ロングレンジの航続距離は513km

コナ・エレクトリックには、上級機能のヘッドアップ・ディスプレイが備わる。エアコンは、エネルギー効率に優れるヒートポンプ式が標準。ただし、肌触りの良くないプラスティックが、ドアパネルの上部などへ用いられているのが少々残念といえる。

運転席からの視界は、全方向で良い。ドライビングポジションはやや高めで、コンパクト・クロスオーバーに想像する通り。走行中に聞こえてくる、風切り音やロードノイズは充分に抑えられていた。

ヒョンデ・コナ・エレクトリック(欧州仕様)
ヒョンデ・コナ・エレクトリック(欧州仕様)

コナ・エレクトリックへ搭載される駆動用モーターは、スタンダードレンジで最高出力が156ps。これに、48.8kWhの駆動用バッテリーが組み合わされる。ロングレンジでは、218psと65.4kWhへアップグレードされる。

今回の試乗車はロングレンジで、1度の充電で走れる距離はカタログ値では513km。これは、アット3の420kmを2割ほど上回る。試乗では都市部から郊外まで様々なルートを運転して、電費は6.4km/kWhに届いた。かなり効率は優れるようだ。

急速充電能力は、DCの最大で102kW。これもアット3を凌駕し、最短約40分で残量10%から80%まで回復できるという。ただし、スマート#1の方が充電能力では勝る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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