eトロン改めQ8 eトロン アウディのフルサイズ電動SUV マイチェンで熟成

公開 : 2023.11.20 20:25

進化の中にアドバンテージ シャープなステアリングレスポンス

最初に感じたのは、思いのほかシャープなステアリングのレスポンスだった。今回のマイチェンではフロントのコントロールアームのブッシュ剛性を上げ、ステアリングのレシオもクイックになっているという説明があったので、その効果が出ているのだろう。

だが誉めるべきは鋭くなったハンドリングを丸く収めるシャシーの側かもしれない。今回さらに重くなった床下バッテリーの存在もほとんど感じられない。まるでよくできたエアサスのガソリンモデルのようにスムーズなロール変化に徹していたのである。

アウディQ8スポーツバックeトロン55クワトロ Sライン
アウディQ8スポーツバックeトロン55クワトロ Sライン

床下バッテリーの重さを敢えてしっかり感じさせるのがEVフィールの第一弾だとすれば、Q8 eトロンは次の時代に突入している? ちなみに少し前に試乗したEQS SUVやEQE SUVはまだ床下重量感が普通に感じられたので、動的質感という部分だけで言えば今回のQ8 eトロンはチューニングの妙を感じさせてくれるモデルだと言えそうだ。

とはいえ現代の日本のEVシーンにおいて、スポーティに走らせた際の挙動に対するプライオリティは高くはあるまい。EVならではの加速感だって普段使いでは無用の長物という人も多いはず。まずは航続距離。それからプレミアムモデルであれば静粛性と乗り心地か?

既存のeトロン、そしてアウディの内燃機モデルのオーナーならばQ8スポーツバックeトロン55の動的質感の高さはすぐに理解できるはず。だが他メーカーのライバルと比較した場合のアドバンテージに関してははっきりと感じることができなかった。

試乗車のスペック

価格:1317万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4915×1935×1620mm
最高速度:-km/h
0-100km/h加速:-
車両重量:2600kg
最高出力:300kw
最大トルク:67.71kg-m
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電圧:397V
総電力量:114kWh
一充電走行距離:501km
タイヤサイズ:255/50R/20(フロント)255/50R/20(リア)

アウディQ8スポーツバックeトロン55クワトロ Sライン
アウディQ8スポーツバックeトロン55クワトロ Sライン

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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